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ロードマップ改訂と業界横断組織でPI実装を前へ

2026年7月17日 (金)

行政・団体経済産業省と国土交通省は17日、2026年度第3回「フィジカルインターネット実現会議」を開催し、40年の実現を目標とするフィジカルインターネット・ロードマップの一部改定案を取りまとめた。政府方針や法制度、技術環境の変化を反映するとともに、業界別に進めてきた取り組みを横断的につなぐ「フィジカルインターネット実現懇談会(仮称)」を立ち上げる方針も示した。体制や開始時期は調整中で、決まり次第公表する。

冒頭では、国土交通省大臣官房審議官(物流・自動車 担当)の木村大氏が、今年度からフィジカルインターネットの取り組みが「準備期」から「離陸期」に移り、社会実装を加速する重要な局面に入ったと説明した。各業界ごとのWG(ワーキンググループ)で専門的な議論を深めるだけでなく、業界や分野の垣根を越えた連携が一段と重要になると指摘。唯一の正解を求めるのではなく、各社・各業界が試行錯誤するプロセスを共有し、取り組みの輪を広げることに期待を示した。

国土交通省の木村大氏

今回の会議では、ロードマップの26年度改訂版の最終案を確認、改訂のポイントは、新たに閣議決定された政府方針、法改正や技術進展、準備期における取り組みの進ちょく、新たに考慮すべき課題の4つを基本的な観点とした。

前回までの議論が改訂版に反映され、複数の物流・商流データプラットフォームをつなぐための技術としてAIに限らない多様な先端技術を活用していくことなどが新たに盛り込まれた。新たな「総合物流施策大綱(2026-2030年度)」や物流効率化法の全面施行を踏まえ、トラック輸送の供給力、中継輸送、自動運転トラック、新モーダルシフトなどの記述も更新した。

このほか、CLO(物流統括管理者)に期待する役割を物流単体の最適化からサプライチェーン全体の最適化へ広げたほか、サイバーセキュリティーのリスク管理、CO2排出削減、ドライバーの待遇改善、ESGなど、非財務的な企業価値もフィジカルインターネットが生み出す効果として明確にした。

委員からは、政府施策だけでなく、共同輸配送や輸送経路の組み替え、PIコンテナの実証など、準備期に進んだ民間の取り組みと成果を評価し、ロードマップに反映すべきだとの意見が寄せられた。

また、フィジカルAIや企業間データ連携基盤の進展を踏まえた見直し、商流・物流データの接続、荷姿や輸送仕様の標準化、デジタルインフラへの投資、事業として収益を生む仕組みの明確化などを求める声も相次いだ。標準を策定するだけでなく、実際に現場で使われ、業界を越えて規模を拡大できる運用体制が必要との指摘もあった。商流と物流のデータ統合については、海外の巨大プラットフォーマーによる国内サプライチェーン領域への展開強化の可能性を例示し、より実効力を持って国内基盤の整備を急ぐべきだとの指摘もあった。

さらに、コスト負担の解決策、フィジカルインターネット実現後の物流の全体像を共有する必要性も示された。事務局は、今回の意見をロードマップ改訂への反映だけで完結させず、標準化の実運用、データ連携、リスク管理、進捗評価などの具体的な進め方を引き続き検討する。

会議の後半、経済産業省商務・サービスグループ物流企画室長の平林孝之氏からは、フィジカルインターネット実現懇談会(仮称)の新設が発表された。同懇談会では、加工食品・日用雑貨、化学品、医薬品、建材・住宅設備、自動車など、それぞれの業界で蓄積してきたWGの知見を共有し、業界横断の連携につなげる役割を担う。

各WGの活動を置き換えるのではなく、業界固有の課題に対応する縦の取り組みに「横串」を通し、共通する標準化やデータ連携、共同輸配送の可能性を探る。経産省は、一企業、一業界だけではフィジカルインターネットを実現できないとして、各業界の知見を掛け合わせ、社会実装に向けた環境整備を進める方針を示した。

会議の最後に経済産業省大臣官房審議官(商務・サービス担当)の浅井俊隆氏は、委員から寄せられた標準化やデータ連携、業界横断のビジネスモデルなどの意見を今後の具体策に生かし、関係省庁と連携してロードマップの推進と社会実装に向けた環境整備を進める考えを示した。(大津鉄也)

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