調査・データ米経営コンサルティングファームのATカーニーは23日、エレクトロニクス業界のサプライチェーンリスクを分析した論考「脆弱性をあらわにする―エレクトロニクス・サプライチェーンに潜むリスクを解き明かす」を公開した。論考では、半導体を中心とするサプライチェーンの集中リスクや、地政学、情報セキュリティー、自然災害などの観点から供給網の脆弱性を整理している。
それによると、世界の前工程半導体製造能力の60%は中国、台湾、韓国に集中している。また、TSMC(台湾)は世界の最先端チップの90%を製造しているとされ、特に最先端半導体分野における供給網の集中度の高さを指摘した。さらに、半導体サプライチェーンは代替調達先の確保が難しく、新たな生産能力の構築にも多額の投資や高度な技術が必要となることから、供給網の中でも脆弱性が高い領域と分析している。
リスク要因としては、米中関係や台湾情勢などの地政学リスク、サイバー攻撃や知的財産保護に関わる情報セキュリティリスク、台湾の干ばつや日本の地震、中国の洪水・台風といった地理的リスクを主要な脅威として挙げた。また、2023年には中国が半導体材料に使用されるガリウム化合物とゲルマニウム化合物の輸出を制限した事例も紹介している。
対応策としては、複数供給者の認定や供給者との共同需要計画の実施、モジュール化を意識した製品設計などを提言。加えて、Tier1だけでなくTier2、Tier3を含めたサプライチェーン全体の可視化を進め、上流工程に潜むリスクを把握することが重要だとしている。
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