調査・データ日本航空(JAL)、山口県美祢市、九電ドローンサービス(QDS)は24日、日本最大級の鍾乳洞「秋芳洞」(山口県美祢市)で、ドローンを活用した鍾乳洞調査プロジェクトを開始したと発表した。鍾乳洞内部の本格的な調査にドローンを活用する取り組みは国内初としている。
同プロジェクトは、美祢市が進める地方創生と観光振興に向けたDX(デジタルトランスフォーメーション)施策の一環として実施するもの。2026年6月23日からスタートし、3か年計画で秋芳洞の保全調査や未踏エリアの探索、新たな観光資源の創出を目指す。
鍾乳洞では定期的な内部調査が必要とされる一方、暗所や狭所が多く、滑落や天井崩落などの危険を伴うため、人による調査には限界があった。今回の取り組みでは、QDSが保有するドローン技術を活用し、安全かつ効率的なデータ収集を進める。

(出所:日本航空)
使用する機体は、フライアビリティ(スイス)製の球体ドローン「ELIOS 3」。非GPS環境下でも飛行可能で、LiDAR(ライダー)機能を搭載し、高精度な3Dマップの作成や地形データの取得が可能だ。これにより、これまで把握が難しかった洞窟内の立体構造や未踏空間の可視化が期待される。
調査で得られたデータは、洞窟の形成過程や地質構造、生態環境に関する学術研究に活用されるほか、定量的な地形情報の蓄積にもつながる見通しだ。また、調査で新たに確認された空間を活用したケイビング(洞窟探検)ルートの整備など、新たな観光コンテンツ開発も視野に入れる。
プロジェクトでは、JALが自治体と企業をつなぐ企画・統括を担い、美祢市が地域資源の提供と観光振興施策を推進。QDSがドローン運用や3Dデータ解析を担当する。3者は今回の取り組みを通じて、観光資源の保全と活用の両立を図るとともに、将来的には全国の観光地や自然資源調査への展開も見据える。
物流分野でもインフラ点検や設備保守でドローン活用が広がるなか、今回の取り組みは狭所・暗所環境におけるドローン運用の新たな活用事例として注目されそうだ。
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