ロジスティクスデジタルツイン総合研究所(島根県雲南市)は25日、フィジカルAIの普及に向け、自律進化型AIアルゴリズムの研究開発を加速すると発表した。
同社は、フィジカルAIの普及における最大の課題を「現場適応」と位置づける。工場や物流倉庫、建設現場などでは設備配置や照明、障害物、作業手順などが現場ごとに異なり、従来は専門人材によるデータ取得や環境構築、ラベリング、チューニング、再計測が必要だった。この「最後の1マイル」のコストが社会実装の障壁になっているという。
開発する技術では、AI(人工知能)が自ら環境理解の不足や不確実性を検出し、必要な観測地点や対象を判断する。ロボットやドローン、センサー、人に対して情報取得を指示し、取得したデータを基にデジタルツインや世界モデルを継続的に更新する仕組みを構築する。
同社は、この一連の技術を「ASAL」(Active Site Acquisition Loop)として研究開発しており、現在は2次元環境で、ロボットが未観測領域を特定し、重要度を判断して次に観測すべき地点を選定する初期実装を進めている。今後は3次元環境への拡張や視覚言語モデル(VLM)と3D SLAMの統合、実機ロボットやドローンとの連携を進め、製造、物流、建設、インフラ、災害対応現場での検証を進める。
物流分野では、レイアウト変更や設備更新が発生した際に、ロボットが自律的に再測定や環境理解を行い、最新の運用環境へ適応する用途を想定する。また、防災・災害対応や重要施設保全では、人が立ち入りにくい場所でロボットやドローンが自ら観測すべき地点を判断し、継続的な状況把握や異常検知を支援する技術としての活用を見込む。
同社は今後、製造、物流、建設、インフラ、防災、防衛、自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)分野で共同研究や実証実験のパートナーを募集し、日本発のフィジカルAI基盤技術の創出を目指す。
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