ロジスティクス国際航空運送協会(IATA)は24日、スペイン・マドリードで開いた初の「World Maintenance and Engineering Symposium」で、航空宇宙サプライチェーンの機能不全に対応するため、4つの優先課題を示した。航空会社の運航に影響する機体納入遅延、エンジン耐久性問題、素材・部品不足、整備能力の制約に対し、航空業界全体で実務的な対応を進める必要があるとした。
IATAによると、航空機の受注残は1万8000機を超え、平均機齢は過去最高の15.2年に達した。航空会社が見込んでいた燃費効率の高い代替機が5000機以上不足しており、効率改善の遅れに加え、リース料や整備費の上昇につながっている。IATAは、サプライチェーンの不具合による航空会社の負担が2025年に少なくとも110億ドルに上ったとしている。
IATAが示した優先課題は、サプライチェーンの可視性向上、アフターマーケットの開放、データ・デジタル化・AI(人工知能)の活用、人材能力の構築の4項目。メーカーから航空会社に対し、納入遅延、修理所要時間、部品在庫、ボトルネックに関する情報を早期かつ確実に提供することを求めた。
アフターマーケットでは、第三者MRO(整備・修理・オーバーホール)サービス、代替部品、認定修理へのアクセスを広げ、航空会社の選択肢を増やす必要があるとした。修理手順、工具、認定修理網、補修部品流通に関する商業上の制約は、待ち時間の長期化やコスト増につながると指摘した。
データ活用では、航空会社の整備システムと外部市場情報を連携させ、在庫管理、部材不足の把握、修理・交換判断、保証請求を改善することを求めた。AIは需要予測、部品不足の検知、手作業の削減に活用できるとしている。IATAは、International Airlines Technical Poolとの協力や、MRO SmartHubの無償提供を例に挙げた。
人材面では、整備技術者の採用、訓練、ライセンス制度の見直しを促した。ボーイングは今後20年で71万人の新たな整備技術者が必要になると見積もっており、IATAは訓練能力の拡大、資格取得上の不要な障壁の削減、国境を越えた技能認定の整備が必要だとした。
IATAはあわせて、新しい航空機装備や電子機器の義務化について、認証、機器供給、取り付け能力、サプライチェーンの状況を踏まえた現実的な導入期限を求めた。安全対策を遅らせるのではなく、実行可能な形で安全性を高めるため、国際的に調整された実施日程が必要だとしている。
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