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アートコーポレーション、創業家がMBOへ、非公開化で抜本改革

2011年2月4日 (金)

話題アートコーポレーションは4日、寺田千代乃社長が代表を務めるCTトータルトランスポート(東京都中央区)がアートコーポレーションの株式公開買い付けによる、マネジメント・バイアウト(MBO)を実施すると発表した。

 

CT社は昨年9月29日に、アートの株式を取得・所有する目的で設立された会社で、寺田千代乃社長のほか、前会長の寺田寿男氏、両氏の長男でアートの専務である政登氏、次男でアート常務の秀樹氏が取締役と、創業家の寺田一族による同族会社といえる。

 

また、アートでは「株主に対して合理的な価格による普通株式の売却機会を提供するもの」として、CT社による公開買付に賛同すると表明した。公開買付が完了すれば、アートは上場廃止となる見通し。

 

アートの主要株主構成では、第一位株主の寺田千代乃氏が21.42%、第二位株主の寺田寿男氏が14.71%、第三位株主の寺田政登氏が9.10%、第四位株主の寺田秀樹氏が8.54%を所有しており、合わせて53.76%を占める。CT社は、公開買付けの成立などを条件として住友信託銀行から286億円を上限とした借入を行う見込み。

 

アートは引越事業で取扱件数を拡大しているものの、競合他社との厳しい価格競争で受注平均単価が「想定以上に下落」し、直近決算では株式公開以降初めての二期連続の減収となった。また、利益面では、広告宣伝費などを中心とした経費削減効果の影響、受注平均単価の下落などから減益となった。

 

寺田千代乃氏は、こうした現状を踏まえ、長期的な視野に立ったグループ全体の統廃合などを骨子とする事業の再構築などの「抜本的な経営改革が必要」と判断。同社株式を非公開化して、寺田千代乃氏のリーダーシップの下で、短期的な業績の変化に左右されることなく変革に取り組む体制を構築し、経営の変革を遂行していくとともに、上場維持に伴うコストの削減を図ることが「最も有効な手段」との結論に至った。