調査・データ中小企業庁は23日、価格交渉促進月間(2025年9月)後のフォローアップ調査結果として、受注側中小企業の回答を発注者別に整理した「発注者リスト」を発表した。エネルギー価格や労務費の上昇が続くなか、価格交渉や価格転嫁の実態を可視化し、発注者の自発的な取引慣行改善を促すことが狙いだ。
今回のリストは、10社以上の受注側中小企業から「主要な取引先」として挙げられた発注者を対象に作成。企業522社と国・地方公共団体89件について、価格交渉、価格転嫁、支払条件(企業のみ)を点数化し、平均値に基づき4区分(アからエ)に分類した。調査は25年4-9月の取引状況を対象に30万社へ配布し、6万9988社が回答している。
物流分野に目を向けると、価格交渉では「ア」「イ」と比較的高い評価を得た企業が一定数存在する一方、価格転嫁では「ウ」にとどまるケースが目立つ。交渉自体は行われていても、燃料費や付帯作業費、運賃への十分な反映に至っていない実態が浮き彫りとなった。支払条件はおおむね「ア」に分類される企業が多いが、転嫁とのギャップが課題として残る。
一方で、今回のリストの中でも特に注目されるのが、「エ」という最低評価を受けた発注者の存在だ。価格交渉の回答状況で「エ」とされた企業は、カインズ、アイ工務店、明石被服興業。受注側中小企業の回答では、コスト上昇にもかかわらず交渉の申し入れができなかった、あるいは申し入れても応じてもらえなかったといった否定的評価が集中したことになる。
また、支払条件の評価で「エ」とされた企業には、飯田産業、尾道造船、フジキン、吉原建設、リョービMHIグラフィックテクノロジーが挙げられた。支払条件は前回調査から新たに公表対象となった項目であり、物流企業にとっては資金繰りに直結する重要な指標だ。最低評価が付いた企業については、支払サイトや条件面での改善余地が大きいことを示している。
さらに、自治体でも姫路市、東大阪市、三原市が価格交渉の回答状況で「エ」と評価された。公共分野においても、コスト上昇局面での交渉環境が十分に整っていない可能性を示す結果となった。
物流企業の評価は以下の通り。
■物流企業評価(回答数・価格交渉・価格転嫁・支払条件)
ヤマト運輸(99・ア・ア・エ)
日鉄物流(18・ア・イ・エ)
日本郵便(22・ア・ウ・エ)
福山通運(11・ア・ア・エ)
日本梱包運輸倉庫(10・ア・イ・エ)
アサヒロジ(16・ア・ウ・エ)
全農物流(12・ア・イ・エ)
三菱ケミカル物流(13・ア・ア・エ)
JFE物流(12・ア・イ・エ)
日本通運(86・ア・ア・エ)
富士フイルムロジスティックス(11・ア・ウ・エ)
鴻池運輸(14・ア・イ・ア)
センコー(12・ウ・ウ・ア)
トランコム(17・ウ・ウ・ア)
マツダロジスティクス(10・ア・イ・ア)
上組(22・ア・イ・ア)
キリングループロジスティクス(12・ウ・イ・ア)
西濃運輸(25・ウ・ウ・イ)
トナミ運輸(10・ウ・ウ・ウ)
山九(28・イ・イ・ア)
クボタロジスティクス(12・ウ・ウ・ア)
佐川急便(76・ア・ウ・ア)
日本郵便輸送(28・ア・ウ・ア)
SBS東芝ロジスティクス(11・ウ・ウ・ア)
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