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予約、受付、入退場をつなぐLogiPull、待機削減を拠点改革の競争力に

荷待ちの原因を解き拠点全体の最適化導くCEC

2026年8月24日 (月)

話題バース予約システムを導入し、車両の来場時間を分散させても、受付や車両確認、入場許可、構内誘導といった一連の業務に無理や無駄が残れば、新たな滞留が別の場所に移動しただけにすぎない。

今年度全面施行された改正物流効率化法では、荷待ち時間や荷役時間の削減目標が定められ、特定荷主の物流統括管理者(CLO)にはその実現に向けた中長期計画策定と、進ちょく管理・報告が必要となった。バースで発生している課題解決は、経営課題そのものであるという認識で、荷待ち時間削減の具体的な成果が求められる局面だ。

こうした法制度の変化を受け、バース管理システムに求められる役割も変わり始めた。

シーイーシーでバース管理システム「LogiPull」(ロジプル)を担当するソリューションセグメントインダストリーソリューション事業部パブリックビジネス部部長の今村純氏によると、「物流効率化法への対応を契機に、バース管理システムの導入だけでなく、トラックの入退場業務全体を効率化、省力化したいという相談が増えている」という。

トラックの入退場業務は、車両が到着し、荷物を積み卸しして退出するだけではない。セキュリティー上の理由から、ドライバーに入場許可証やカード、RFIDタグを持たせ、入口で本人確認を行う物流拠点もある。バースを予約済みでも、ドライバーがトラックを降り、受付へ出向かなければならないケースはまだ多い。

「こうした拠点ごとの独自ルールが、ドライバーの手間や場内の混雑を生む一因になっている」と指摘するのは、同部のグループマネジャー藤田隆之氏だ。

待機時間を減らすには、バース予約だけではなく、受付、本人確認、入退場、構内誘導、荷役といった付帯業務まで含めて見直さなければ、物流業務全体の最適化にはつながらない。

待機時間対策を入り口に、その原因を分解し、現場の運用そのものを組み替える。CLOに求められているのは、まさにこうした部分最適に陥らない改善だ。

導入先の8割が個別カスタマイズ、独自運用支援がLogiPullの強み

バース起点で施設全体を可視化、効率化するLogiPull(クリックで拡大、出所:シーイーシー)

トラックの混雑や待機が、物流拠点独自の受付方法や構内ルールに起因するのであれば、システム側も現場の運用に合わせて設計する必要がある。

こうした個別対応を得意としているのが、シーイーシーのLogiPullだ。同システムの導入先のうち、8割で何らかのカスタマイズを実施しているという。

シーイーシーは、独立系システムインテグレーター(SIer)として60年近い歴史を持つ。物流分野に限らず、幅広い業務システムや機器制御の開発に携わってきた。そのため、標準機能をそのまま提供するだけでなく、顧客の業務に合わせてシステムをつくり込む開発は、同社の得意分野といえる。

今村氏は、「現状分析から改善策の策定、開発、導入までを一貫して担える体制が、柔軟な対応を可能にしている」と説明する。物流業務の知見に加え、クラウドや各種ITシステム、機器制御に関する技術を社内に持つことで、複数の仕組みが絡む複雑な要望にも対応できる。

とりわけ、車番認識カメラやバーゲート、電光掲示板などの機器を連携させるには、単なるアプリケーション開発とは異なる機器制御の知見が欠かせない。顧客の課題解決に必要であれば、個別のシステム開発だけでなく、機器の設置や工事まで対応する。完成された製品を現場に当てはめるのではなく、現場の業務にシステムを近づけていくという姿勢だ。

藤田氏は、それこそが、標準化されたSaaSを中心に提供する事業者との違いだとする。特定メーカーに依存しない独立系SIerであるため、既存設備や現場の課題に合わせて、必要な機器やシステムを柔軟に組み合わせて、入場から退場まで全体を改善できるのだ。

納品書の読み取りから構内地図まで、実運用に伴走

LogiPullのカスタマイズ範囲は、バース予約画面の変更にとどまらない。

これまで、納品書を画像から読み取る機能、タブレット端末への構内地図表示、トラックスケール(車両重量計)との連携、産業廃棄物マニフェスト(管理票)の回収ポスト設置、倉庫管理システム(WMS)とのデータ連携など、多岐にわたる対応を行ってきた。

現場課題起点のカスタマイズは、ただ機能を増やすのではない。導入前の業務分析と伴走支援を重視する。

シーイーシーでは、拠点ごとのルールや現行業務をヒアリングし、受付から入場、荷役、退出までの業務フローを洗い出す。そのうえで、どの作業を残し、どの作業をシステム化し、どこまで自動化、省力化するかを顧客とすり合わせていく。「ITの専門知識がなくても大丈夫、私たちの実績や技術的知見を踏まえ、現場の困り事を具体的な解決策へ落とし込む」(藤田氏)

導入期間は、相談開始から実稼働までおおむね3か月、案件によっては半年程度となる。稼働後に新たな課題が見つかれば、追加開発によって改善を重ねる。

システム導入で終わらず、実際の運用に向き合い続ける。その姿勢が、導入先の高いカスタマイズ率に表れている。

WMSやマテハンとの連携も増加

近年は、バース管理システム単体ではなく、WMSやマテハン機器など、物流拠点内の他システムとの連携を求められるケースも増えている。

入荷予定や在庫状況をWMSから取得し、車両の到着情報と組み合わせれば、荷受け準備や人員配置を事前に調整できる。荷役の進行状況とマテハン設備の稼働を連動させれば、バースだけでなく、庫内作業を含めた効率化にもつながる。

(出所:シーイーシー)

「こうしたシステム間連携にも、SIerとしてさまざまな業務システムを開発してきた経験が生きている」(今村氏)

シーイーシーは、必要な機器選定から設置工事までワンストップで対応する。ITシステム企業でありながら、入退場ゲート設置工事の免許も持つ。

システム、カメラ、ゲート、表示機器、ネットワーク、設置工事を別々の事業者へ発注すると、仕様調整や不具合発生時の責任分界が複雑になりやすい。一連の工程をまとめて担えることは、設備連携を伴う入退場管理において大きな意味を持つ。

法対応で高まる時間の自動取得ニーズ

物流効率化法への対応を背景に、特に要望が増えているのが、荷待ちと荷役時間の自動取得だ。

なかでも引き合いが多いのが、車番認識カメラを活用した入退場管理システムである。車両が拠点の入口を通過した時刻と、退出した時刻を自動で記録し、報告や改善に必要なデータを蓄積する。

「(シーイーシーは)5年以上前からカメラを活用した入退場管理システムを展開しており、すでに多くの導入実績を持っている」(藤田氏)

従来のバース予約システムとカメラによる入退場管理を組み合わせ、予約車両のナンバーを照合してバーゲートを自動で開ける仕組みや、電光掲示板と連携して行き先を案内する仕組みなども構築してきた。

車両が到着してから受付を行い、担当者が予約状況を確認し、ゲートを開け、進入先を口頭で案内する。こうした作業を自動化できれば、ドライバーの負担だけでなく、受付側の省力化にもつながる。

さらに、拠点の出入り口だけでなく、各バースにもカメラを設置し、接車から離車までの時間を記録することで、荷役時間を把握するケースも増えている。シーイーシーは物流効率化法への対応を踏まえ、待機時間や荷役時間のデータを定期報告用のフォーマットで出力できる機能も用意した。

しかし、時間を自動で記録できることは、あくまで改善の出発点にすぎない。

「何分待ったか」から「なぜ待ったか」へ

シーイーシーがさらに力を入れているのが、蓄積した実績データの活用だ。

LogiPullでは、予約時に車格や荷量、荷物の積み方などを登録できる。車両が何時に到着し、何分待機したかだけでなく、その車両がどのような条件で来場したかを組み合わせて分析できる。

たとえば、拠点全体で平均待機時間が何分だったかという大まかな把握だけでなく、大型車に待機が集中していないか、特定の積み方の車両で荷役が長時間化していないか、どの時間帯に特定車格の来場が重なっているかといった分析が可能になる。

待機時間が発生しているという事実だけでは、具体的な改善策は見えてこない。車格、荷量、積載方法、時間帯、バース、荷役内容などの条件を細かく掛け合わせて初めて、待機の原因が浮かび上がる。

今村氏は、バース管理システムによって来場時間の集中を抑えることには一定の効果があるものの、それだけでは待機時間の根本的な解消にはならないと強調する。

予約枠を分散しても、受付や構内誘導に時間がかかれば待機は残る。荷受け側の人員や機材が不足していれば、バースに接車してからの荷役が長引く。予約内容と実際の荷量に差があれば、庫内作業にも影響が及ぶ。

必要なのは、車両の入退場業務に潜む無理や無駄を減らし、実績データから待機の傾向を把握したうえで、バースの運用や人員配置、荷役方法を見直すことだ。必要に応じてWMSやマテハンなどと連携し、拠点全体のオペレーションを変える必要もある。

こうした継続的な分析と改善の仕組みは、物流効率化法で求められる中長期計画を策定するうえでも有効となる。現状値を把握し、待機が発生する要因を特定し、改善策を講じ、その効果をデータで検証する。LogiPullは、その改善サイクルを回すための基盤となる。

それぞれのバースを起点に、物流拠点全体を変える

(出所:シーイーシー)

バース管理システムは、トラックの到着時刻を予約するだけの仕組みでは足りない。受付や本人確認を自動化し、カメラやゲートを制御し、構内の行き先を案内する。さらにWMSやマテハン機器とつなぎ、待機時間や荷役時間を記録し、そのデータを次の改善へ生かす。

ただし、これらの機能も、物流拠点ごとの運用や独自ルールに適合しなければ十分な効果を発揮しない。標準機能に現場を合わせるのではなく、現場課題を見極め、必要な仕組みを個別に組み上げるカスタマイズ対応力が重要になる。

バース管理システムは導入して終わりではなく、それを起点に業務を改善し、蓄積したデータを使って次の改善へつなげてこそ効果を発揮する。

CLOは、待機時間を把握するだけではなく、「その待機は、どこで、なぜ生まれたのか」「どうすればドライバー、受付担当者、荷役作業者の負担を同時に減らせるか」を示さなければならない。

バースに並ぶトラックの列は、物流拠点が抱える課題の結果である。LogiPullが目指すのは、その列を短くすることだけではない。列の背後にある業務そのものを見直し、物流拠点全体の流れを変えることである。

▲(左から)藤田氏、今村氏

「国際物流総合展 2026」出展~待たせない物流センターの実現~

シーイーシーは、2026年9月8日(火)〜11日(金)に東京ビッグサイトで開催される「国際物流総合展 2026」に出展します。
本展示では、バース管理システム「LogiPull」による、トラックの受付・入退場管理、バース予約、車両誘導、実績管理をご紹介します。

https://logistics.cec-ltd.co.jp/seminar_event/20260820/

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