調査・データWTS研究所(京都市伏見区)は27日、中国のデュアルユース(軍民両用)輸出管理について、中国税関が公表した行政処分670件を分析した調査レポートを公開すると発表した。輸出管理違反が処分の中心または実質的根拠となる503件を中核案件として分析した結果、レアアース関連が139件で最大だった。仕向国を原資料で確認できた282件では、日本向けを20件確認した。
調査では、税関の行政処分に加え、司法記録や税関・技術センターによる検査装置などの政府調達情報も横断的に分析した。同研究所は、中国のデュアルユース輸出管理について、中央政府による規制措置だけでなく、地方税関の検査、技術判定、不予処罰、行政処分、刑事司法まで含む多層的な執行システムが形成されているとみている。
670件の年別内訳は、2023年18件、24年46件、25年316件、26年は7月31日までに290件だった。ただし、違反の発生や申告から正式な処分決定まで時間差が生じる案件もあり、年別件数を同時期の違反発生件数として単純に比較することはできないとしている。
中核503件では、レアアース139件に続き、レアメタル66件、黒鉛加工品45件、化学製剤・試薬37件だった。執行対象はレアアースや黒鉛などの戦略材料だけでなく、化学品や機械部品、製造設備など幅広い品目に及んでいる。
仕向国を確認できた282件では、台湾30件、米国26件、日本20件、タイ18件、ベトナム18件、韓国とインドが各16件だった。ただし、各国向けの輸出量や申告件数が異なるため、件数だけで国別の摘発率や執行の強弱を判断することはできないとしている。
輸出管理実務では、品名やHSコードだけでなく、純度、濃度、密度、強度、材質、性能、用途などの技術仕様が規制該当性を左右すると指摘した。日本企業についても、SDSや成分表、試験成績書、製品仕様書などの技術情報を輸出管理判断につなげる体制が重要になるとしている。
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