調査・データ帝国データバンク(TDB、東京都港区)は28日、企業の価格転嫁に関する7月の実態調査を公表した。コスト上昇分を販売価格やサービス料金に反映できた割合を示す価格転嫁率は39.9%となり、前回2月調査の42.1%から2.2ポイント低下した。物流費の転嫁率も34.5%にとどまり、原材料費に比べて人件費や物流費などの間接的なコストを価格に反映しにくい状況が続いている。
調査は7月17日から31日まで全国2万2350社を対象に実施し、1万518社から回答を得た。コスト上昇分を「多少なりとも価格転嫁できている」とした企業は75.8%だったが、「10割すべて転嫁できている」は3.4%にとどまった。「2割未満」の転嫁が24.5%で最も多く、「全く価格転嫁できない」企業も11.9%あった。5割未満の転嫁にとどまる企業は53.8%に上った。
費目別では、原材料費の価格転嫁率が47.3%と最も高く、物流費は34.5%、人件費は32.0%、エネルギーコストは29.6%だった。原材料費は仕入れ価格の改定通知や市況などを根拠として示しやすい一方、物流費や人件費は複数の商品・サービスにまたがって発生し、個別の販売価格との関係を説明しにくいことが転嫁の遅れにつながっているとみられる。
企業規模別では大企業が41.6%、中小企業が39.7%、小規模企業が38.3%と、規模が小さいほど転嫁率が低かった。取引先との価格交渉力に加え、原価計算や交渉資料を作成する人材などの面でも中小・小規模企業ほど制約を受けやすい状況が表れた。
一方、コスト上昇を認識してから価格改定するまでの期間については、26.3%が「短くなった」と回答し、「長くなった」の7.6%を大きく上回った。業界別では製造が34.6%で最も高く、卸売が30.3%、運輸・倉庫が27.9%と続いた。価格交渉に動くスピードは上がっているものの、仕入れ価格の上昇がそれを上回り、十分な転嫁には結び付いていない状況がうかがえる。
TDBは、価格転嫁が実施の有無を問う段階から、必要なコストをどこまで十分に反映できるか、さらに環境変化に応じて継続的に価格改定できるかを問う段階に移っていると分析。物流費を含む継続的なコストについて、発注側と受注側が定期的に価格を協議できる取引環境の整備が不可欠としている。
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