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PI実装へ前進、評価モデルや共同配送を具体化

2026年9月29日 (火)

ロジスティクスフィジカルインターネットセンター(JPIC)は29日、「PI(フィジカルインターネット)実現コンソーシアム2026年度第2回全体会議」を開催。PI成熟レベル検討WG、モーダルコンビネーションWG、水平連携検討WG、地方共同混載配送検討WGの4つのワーキンググループ(WG)が進捗を報告した。

今回の会議では、PI実現に向けた取り組みが、構想や課題整理の段階から、審査・認証、輸送サービスの実装、業界横断連携、地域実証へと進みつつあることが確認された。前回の全体会議以降、およそ3か月間の進捗が共有され、各WGの活動を社会実装にどうつなげるかが焦点となった。

PI成熟レベル検討WGでは、フィジカルインターネット成熟度モデル「PIMM」の運用状況が報告された。PIMMは、企業やグループのPI対応状況を可視化し、共同物流やデータ連携、標準化への取り組みを評価する仕組み。同WGでは、PIMM事務局、審査を担うアプレイザーチーム、認証取得企業によるホルダーチーム、物流コンサルや3PLなどのLPD(ロジスティクス・プロデューサー)を想定したPIMMパートナーの4機能を軸に、運用体制の整備を進めている。

PIMMはすでに運用フェーズに入っており、審査受付も進む。審査は随時受け付け、四半期ごとの審査会で認証するサイクルを想定する。審査においてはトライアルでの検証を経て、人間の審査員に加えて生成AIを人間の審査を補完する「第三の審査員」として活用する方向性が示された。

認証取得後の継続的な関与も課題となる。9月上旬にはトライアル審査に協力した5社が参加した意見交換会を実施。共同物流を進める際の情報開示、標準化、費用配分、物流子会社との調整、イレギュラー対応など、実務上の壁が共有された。PIMMを単なる認証制度にとどめず、企業同士のノウハウ共有やマッチングにつなげるコミュニティー機能の拡張も視野に入れる。

モーダルコンビネーションWGでは、鉄道コンテナの空きリソースを活用した新たな物流網づくりの検証が報告された。同WGは、鉄道輸送をパレット単位の中小ロット貨物に広げる「パレットレール便」と、トラック、鉄道、船舶などを組み合わせる「トラック鉄道ハイブリッド連携」を主要テーマとする。

パレットレール便では、隅田川駅から南松本駅まで4パレットを輸送するトライアルを実施。10月からはトライアル区間の拡大を計画する。トラック輸送と比較してリードタイムや価格面での競争には課題が残るが、深刻さを増すトラックやドライバー不足という根本課題への対応や、CO2排出量削減への貢献を踏まえ、リードタイムを許容できる貨物や空コンテナ回送区間の活用など、利用条件に応じた展開を検討する。

また、トラック鉄道ハイブリッド連携では、トラックと鉄道を組み合わせ、災害時などにも幹線輸送を維持するスキームの構築を目指す。7月31日には、丸和通運とJR貨物関東支社が、鉄道に代わるトラック中継輸送として、代行するトラックが日帰り可能な貨物駅をクロスドックとする取り組みを実施した。

水平連携検討WGでは、化学品、医薬品、家電、自動車など個別業界で検証が進み、行政との連携など、従来の「POC実施・進捗報告で終了」する形にとどまらず、横展開も見据えた取り組みが進んでいると報告された。例えば、家電WGでは外装箱破損による返品を対象に、AI(人工知能)で自動確認する仕組みが検証されているが、同様の課題を持つ医薬品WGへの横展開も検討される。

また、JPICが業界間連携を支えるハブ機能を担う必要性が示され、具体的には、PIMMによる現在地と課題の把握、物流情報標準ガイドラインの普及促進、デジタルアドレス活用に関するワークショップ、物流シェアリングに関する独禁法・取適法のコンプライアンスセミナー、CLO社会実装支援事業、フィジカルインターネットアワードなどを通じ、業界横断の接点づくりを進める。2回目となるアワードは10月1日から正式公募を始める予定で、11月には物流情報標準ガイドライン改定に向けた第1回委員会も予定する。

さらに、経済産業省が検討する「フィジカルインターネット実現懇談会」(仮称)においても、JPICがプランニングサポートとハブ機能として参画する構想も示された。業界別に蓄積された知見を共有し、既存の取り組みを横断的に接続することで、社会実装を加速させる狙いだ。

地方共同混載配送検討WGでは、人口減少や高齢化が進む地方で、生活インフラとしての物流を持続可能にする共同混載モデルの検討状況が報告される。資料では、地方では単独企業によるコストコントロールや改善が難しくなり、物流コスト、運び手不足、需要の不確実性などによって運営リスクが上昇していると指摘。非ドミナントエリアにおいて、持続可能で収益性も創出できるモデルをつくることを目的に掲げた。

まずはコンビニエンスストア2社とヤマト運輸による共同輸送モデルを検証。青森県下北半島を対象に、地方共同混載輸送による生活必需品アクセス維持モデルを検討している。青森県内の集約地点で複数社の荷物を混載し、下北半島の集約拠点まで共同で幹線輸送する。効率化された費用按分・配送管理を行い、補助に依存しない自走可能な持続モデルの確立を目指す。

進捗としては、青森エリアで参画企業の物流における現状再現を行い、配送状況の現状把握からギャップ箇所を明確化しており、今後はそのギャップをもとに運用詳細を詰め、合意形成を進める。

各WGの取り組みは、評価指標、輸送モード、業界横断連携、地方物流課題という異なる入口から進んでいるが、共通するのは、PIを実装可能な形に落とし込む段階に入っている点だ。今後は、各WGの成果を個別実証にとどめず、荷主企業や物流事業者が中長期計画や現場改善に取り込める実装メニューとして示せるかが問われる。

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