日産、同社初の商用EVを10月発売

荷主日産自動車は10月から、同社のEVで初の商用車となる「e-NV200」を全国一斉に発売する。

e-NV200は、多目的商用バン「NV200バネット」をベースに、e-パワートレインを組み合わせることで、「NV200」の室内の広さや多用途性と、EVならではの加速性と静粛性を兼ね備えたモデルとした。

パワープラグを採用することで屋外で電源を供給できるようにしたほか、「走る蓄電池」としてさまざまなビジネスシーンに役立てることができる。5人乗り・7人乗りのワゴンタイプの設定により、乗用ユースとして使用することも可能。

世界で累計11万5000台以上を販売した「日産リーフ」に続き、日産がグローバルに販売する2車種目の量販EVとして発売するe-NV200は、内燃機関の商用車と比べてランニングコストを抑えるだけでなく、「EVならではのスムーズで力強い加速性能や静粛性によりドライバーの疲労を軽減し、より安全な業務運行を実現する」。

油圧式制御ブレーキの採用により、多くの制動シーンで回生が可能になることから、航続距離は満充電時に185-190キロ（JC08モード）となる。

走行用バッテリーから合わせて最大1500Wの電力を取り出すことができるパワープラグ（100Vコンセント）を、前席側と荷室側の2か所に採用。これにより、外出先での電源確保や、屋外でイベントを実施する際の電源提供、災害時の電源として活用できる。

パワープラグは、自動停止するバッテリー残量を任意に設定することが可能となっており、帰りの走行電力を気にせず使用できるという。

バッテリーをフロア下に搭載し、低重心化を図ったことでコーナーでのぐらつきやステアリング操作からの応答遅れを低減。サスペンションの高剛性化やセッティングにより、クラストップのショック吸収性を実現し、荷物を多く積んでも快適な乗り心地で走行できるよう配慮した。

荷室スペースはバッテリーを小型化し、床下に配置したことでNV200バネットと同等の容量を確保。ステアリングヒーターとクイックコンフォートヒーター付シート（運転席・助手席）を標準装備することにより、快適さを保ちながらエアコン使用を抑制した。

携帯電話やパソコンから操作ができる「乗る前エアコン」の操作を、インテリジェントキーからも行うことが可能となり、顧客の利便性を向上させた。

価格（全国希望小売価格、税込）は最も安い設定のバンタイプで388万440円となっているが、全グレードが「エコカー減税」による減税措置に適合し、自動車重量税と自動車取得税が免税となるほか、最大85万円の購入補助金（クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金）を受給できる。同社は月間500台、2014年度を通じて1000台の販売を見込んでいる。

■「e-NV200」の詳細情報
http://www.nissan.co.jp/ENV200/