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深層学習機能を搭載、人間並みの状況把握が可能に

米NVIDIA、自動運転自動車向けコンピュータを開発

2015年1月6日 (火)

サービス・商品コンピュータのグラフィックチップセットを製造する米国NVIDIA社(エヌビディア社、カリフォルニア州サンタクララ)は、周囲の状況を認識できる自動運転自動車向けコンピュータ「NVIDIA DRIVE」(エヌビディアドライブ)を開発、ラスベガスで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショーで4日、発表した。同社は4月以降に出荷を開始する見通し。

NVIDIAが開発したコンピュータは、自動運転機能を開発する「PX」と最先端のデジタル・コクピットを構築する「CX」の2種類で、PXには深層学習機能を搭載。救急車と配送トラックの違い、駐車中の車と発進しようとしている車を見分けるなど、さまざまな車両の見分け方を学ばせ、人間と同じように細かいことを感じとり、状況の微妙な違いに対応する自律走行の自動車が実現できるようになるという。

同社のジェンスン・フアンCEO兼共同創立者は「未来の自動車で中核となるのは、モバイル型のスーパーコンピューティングだ。たくさんのカメラとディスプレイを使い、未来の車は自身で周囲の状況を観察し、理解できるようになっていくだろう。駐車場から運転者のところへ自動で戻ったり、状況確認能力によって危険を避けたりなど、未来の車は知能があるとしか思えないようなさまざまなことをしてくれるはず。コンピュータビジョンや深層学習、グラフィックスが進歩したおかげで、このような夢が実現可能となった」と述べた。

自動運転の開発プラットフォーム・NVIDIA DRIVE PXでは、コンピュータビジョンと深層学習の分野の最新開発成果を活用、同社製の「NVIDIA Tegra X1モバイル・スーパーチップ」を用いており、処理能力は15年前の世界最速スーパーコンピュータを超える1テラフロップス以上に達する。

DRIVE PXにはTegraX1スーパーチップを2基搭載し、最大で12台の高解像度カメラから得た入力信号に対し、最高1.3ギガピクセル/秒の処理を行う。コンピュータビジョン機能もあり、人間が操作しなくても自動車自身がスペースを見つけて駐車する全自動駐車が可能になる。

現在でも一定の条件で縦列駐車の補助をしてくれるシステムは存在しているが、NVIDIA DRIVE PXでは、自動車自身が混み合った駐車場で空いているスペースを探しだして駐車をしたり、スマートフォンからの呼び出しを受けて運転者のところまで自動で戻ったりといったことなどが可能になる。