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政府、20年度までの交通政策基本計画を閣議決定

2015年2月13日 (金)

行政・団体政府は13日、交通政策基本法施行下で初の交通政策基本計画を閣議決定した。

計画は2014年度から20年度まで5年強の期間に、政府が講じるべき交通施策を定めだもので、「豊かな国民生活に資する使いやすい交通の実現」「成長と繁栄のための基盤となる国際・地域間の旅客交通・物流ネットワークの構築」「持続可能で安心・安全な交通に向けた基盤づくり」の3つを基本方針として、具体的な施策や数値目標を規定した。

このうち物流分野では、「豊かな国民生活に資する使いやすい交通の実現」の一環として、「旅客交通・物流のサービスレベルをさらなる高みへ引き上げる」ため、幹線道路で信号制御の高度化を進めるほか、車両単体での運転支援システムや、通信を利用した運転支援システムなどの先進安全自動車(ASV)の開発・実用化・普及を促進。

信号制御の高度化では、通過時間を16年度に年間9000万人時間(2011年度比)短縮、ASVの普及は、大型貨物自動車の衝突被害軽減ブレーキの装着率を12年度の54.4%から20年度に90%まで引き上げる。

さらに、2つ目の基本方針「成長と繁栄のための基盤となる国際・地域間の旅客交通・物流ネットワークの構築」では、「近隣のアジア諸国との厳しい競争に打ち勝つとともに、これら地域の成長を我が国に取り込んでいくには、国際交通ネットワークの要である国際空港や国際港湾の機能強化が必須」「国際海上輸送では、パナマ運河の拡張事業に伴う船舶の大型化など、国際交通を取り巻く大きな環境変化に対応した港湾機能の強化が必要」として、道路・空港・港湾インフラの整備に重点を置く方針を明確化。

具体的には、三大都市圏環状道路の整備率を13年度の63%から16年度に75%へ高めるほか、首都圏空港の年間合計発着枠についても13年度の71.7万回から20年度に「74.7万回+最大7.9万回」へと拡大。

アジア・北米間などの国際トランジット貨物の積極的な取り込みや、総合特区に指定された地域などの成長産業の重点的な育成・振興を支える航空物流の機能強化を図るため、ボトルネックとなっている制度の見直しを検討する。

港湾インフラでは、国際コンテナ戦略港湾の大水深コンテナターミナル整備を進め、現行の3バースから16年度に12バースへと増やす。寄港する国際基幹航路の便数についても、北米基幹航路で現在、京浜港週30便、阪神港週12便となっているデイリー寄港を維持・拡大する。欧州基幹航路は13年度の週2便から、18年度を目標に週3便へ増便を図る。

また、国際海上コンテナ・バルク貨物の輸送コスト低減率(10年度比)として、16年度に5%を目指す。

今後、新たに検討する施策としては、日本商船隊の競争基盤強化に向けた方策の検討、20年に輸出額1兆円を目標とする農林水産物・食品の輸出、高い技術力を持つ地域中小企業の海外展開を物流面から支援する枠組みの検討――を掲げる。