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自動車事故調が初の報告書、国交省に注意喚起促す

2015年4月15日 (水)

調査・データ国土交通省が設置している事業用自動車事故調査委員会(自動車事故調)は15日、重要調査対象事故2件の報告書を公表した。自動車事故調が公表する報告書は今回が初めて。

15日に公表した事故報告書は昨年7月15日に新潟県小千谷市の国道17号線で発生したトラクタ・コンテナセミトレーラの横転事故と、同年8月7日に大分県臼杵市の国道10号線で発生した大型トラックの積載物(劇物)落下漏洩事故のもの。

このほかに現在、13件の事故で調査を進めており、このうちバス同士の事故の報告書案を審議している。今回の2件を含めて、自動車事故調が取り扱っている事故のうち、トラックが絡むものは7件。

小千谷市の事故では、国際海上コンテナトレーラーが対向車線の防護柵に衝突、横転し、1人が死亡。事故原因について、事故調は「運転者が、休息期間を十分にとらずに運転、疲労が蓄積した状況になったことで前方不注意の状況に陥り、事故に至った可能性が考えられる」と指摘。

運転者を雇用している事業者の責任についても「運行管理が不十分だったために運転者の疲労が蓄積され、この運転者の安全運転の意識徹底が図られず、事故につながった可能性」を示した。

さらに、再発防止策を示した上で、国交省に対して「所有している事業者情報、監査情報、車両情報などを分析し、この事業者と類似した地域、規模、運行管理状況などで行っている事業者を抽出し、トラック協会などと連携して該当事業者に注意喚起することを検討する必要がある」と提言した。

臼杵市の事故では、過酸化水素水入りのポリタンクを積んだトラックが荷崩れを起こし、路面へ落下させた。けが人はなかったが、積み荷のポリタンク400個中20個が路上に落下し、そのうち17個で少量の液漏れを起こし、後続車下部に巻き込んだ3個(60リットル)は過酸化水素水全量が路面に漏洩した。

事故原因について、事故調では「荷崩れを起こしやすく、荷崩れしたときに荷台から落下しやすい積み付け状態で運行したため、発生した」可能性が高いとみており、曲線区間を速度超過で運行したことも荷崩れの一因になった可能性があるとしている。

また、運転者は過去にも同様の状態で走行していることを理由に「問題ない」と考え、積み付け方法や速度超過による影響についての正しい知識がなかったことが事故原因につながったと推定している。

■報告書の詳細
トラクタ・コンテナセミトレーラの横転事故
http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/jikochousa/pdf/1446201.pdf

大型トラックの積載物(劇物)落下漏洩事故
http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/jikochousa/pdf/1491202.pdf