行政・団体神戸運輸監理部は7日から16日まで、マレーシア、エジプト、バーレーンの研修生3人を受け入れ、神戸港、尼崎西宮芦屋港、東播磨港、姫路港などで東京MOU域内のPSC(ポートステートコントロール)の標準化と検査官のレベルアップを目的とした実地訓練を行う。
東京MOU事務局では、域内のPSCの標準化と検査担当官のレベルアップを目的に8月24日から9月18日まで「ゼネラルトレーニングコース」(GTC5)を開催しており、今回の受け入れもその一環として行うもの。
GTC5には、東京MOU域内からの参加者14人に加え、国際海事機関(IMO)の推薦を受けた域外からの参加者8人が参加している。
研修では、神戸運輸監理部の外国船舶監督官とともに外国船舶へ赴き、実地で実践的なPSCの経験と知識の習得を図る。
便宜置籍国の中には、技術的な問題から船舶検査を十分に行えない国があり、条約証書を持ちながらも、実際には条約に定める基準に完全に適合していない船(サブ・スタンダード船)が横行している。
サブ・スタンダード船は、本質的に危険なだけでなく、保守や検査関連の費用を節約できることから、低コストで競争できるため公正な海運競争を阻害することにもなるとみられており、アジア太平洋地域ではPSCの地域協力に関する合意(東京MOU)に基づき、PSCのレベルアップに向けた訓練を行っている。