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阪急阪神、トキ4羽を佐渡から中国へ輸送

2016年3月16日 (水)
▲航空機搭載の様子(提供:中国東方航空)

▲航空機搭載の様子(提供:中国東方航空)

話題阪急阪神エクスプレスは16日、トキ4羽を新潟県の佐渡トキ保護センターから中国へ輸送したと発表した。同社は3月9日、トキの雄2羽、雌2羽の合わせて4羽の上海・浦東空港向け輸送を手配した。

日中両国の政府間では、中国から供与されたトキから生まれた子の半数を中国へ返還することを決めており、2002年3月に初めて返還。今回は7回目の輸送となった。

当日は4時30分に佐渡トキ保護センターから動物専用車で出発。8時に新潟港に到着。佐渡・両津港から新潟港はフェリーを利用した。8時40分に新潟空港へ到着し、保税蔵置場へ搬入、輸出通関手続きを経て14時に中国東方航空(MU)296便で新潟空港を出発、15時40分(日本時間16時40分)上海・浦東空港へ到着した。

▲トキが入った輸送箱

▲トキが入った輸送箱

■阪急阪神エクスプレス動物輸送チームの大貫賢二氏の話
「新潟空港からのトキの返還は、今回で6回目の取扱いとなった。両国政府が関与する中での輸送手配なので、書類のアレンジ、輸送経路や所要時間の確認など、関係機関と調整しながら綿密な輸送計画を組立てる。とりわけ気を使うのが佐渡からのフェリー輸送。欠航するとフライトの関係で翌週まで待機することになるので、過去3年間の気象データと長期予報で気象情報をチェックし、輸送日程を決定している」

「輸送に当たっては、隔離検疫施設で輸出前21日間以上の隔離が必要で、この間に鳥インフルエンザなどの伝染性疾病の検査が実施され、衛生証明書や検疫証明書などを手配する。輸送当日は獣医師監督の下、輸送箱や運搬車両に加え、航空機搭載直前には搭載場所を消毒し、振動は勿論、騒音や光に注意しながら、温度10度を保って輸送する」

「トキは、国の特別天然記念物であり、文化財保護法や種の保存法にも該当する為、極めて煩雑な書類手続きが必要になるが、関係各所と協力しながら『日中共同トキ保護計画』を輸送面から支えていく」