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CBRE調べ

首都圏の賃貸物流施設市場、地域間格差が拡大

2016年4月21日 (木)

調査・データCBREは21日、1月から3月まで3か月間の賃貸大型物流施設の市場動向を発表した。首都圏の新規需要は2012年以降3番目の高水準となったが、地域間の格差は拡大した。

(出所:CBRE資料をもとにLogisticsToday編集部が作成)

(出所:CBRE資料をもとにLogisticsToday編集部が作成)

首都圏の新規需要は8万5000坪の高水準だったが、新規供給も12万坪と、四半期ベースでは前期に次ぐ規模の大量供給となった。首都圏全体の空室率は8.3%で、前期より1.4ポイント上昇した。

東京ベイエリア、外環道エリア、国道16号エリアの内側3エリアでは、空室率はほぼ横ばいとなる一方、圏央道エリアは前期から8ポイント上昇し、需給バランスの格差が広がった。

1-3月には6棟・12万坪の新規供給があり、四半期ベースでは04年の調査開始以来最高を記録した前期に次ぐ規模となったが、新規需要も高水準で、満床で竣工した物件が2棟あった。

しかし、大量の新規供給をすべて消化するのは難しく、空室を残して竣工した物件もみられたことから、空室率は8.3%と前期に比べて1.4ポイント上昇。竣工1年以上の既存物件の空室率は1.7%(0.5ポイント増)と、依然として低い水準を維持している。

圏央道エリアの空室率は18.3%と、前期の10.3%から大幅に上昇したが、圏央道の外側や物流施設が集積していない新興の立地に竣工が続いているためで、CBREでは「ほぼ予測された範囲内の結果」だと説明している。

近畿圏では、堅調な需要を背景に新規竣工物件が満床での稼働となり、空室率は0.1ポイント低下の3.4%と低い水準を維持。大規模な潜在ニーズが散見される一方、既存物件はまとまった規模の空室は限られているため、15年7-9月以降の大型開発のリーシング活動が早くも本格化している。

地方都市の物件不足の深刻化や、ドライバーの長距離運行を回避するために物流企業の配送拠点整備が課題になっていることなどを背景に、広島県や岩手県といった地方圏でマルチテナント型施設の開発計画が進行している。