フードアサヒビールとキリンビールは27日、石川県金沢市に共同配送センターを開設し、関西エリアの工場から鉄道コンテナを用いた共同輸送を開始すると発表した。
新設する配送センターは日本通運が運営し、両社のビール類、ノンアルコール・ビールテイスト飲料、RTD、清涼飲料水製品を管理する。配送はアサヒ・キリンの物流子会社が行う。
金沢市の配送センターまでの輸送は、日本貨物鉄道(JR貨物)が関西・北陸間の往復輸送量の差で発生する空コンテナを有効活用し、アサヒビール吹田工場とキリンビール神戸工場で製造した商品を鉄道で輸送する。2017年1月から石川県で配送を開始し、17年秋以降、富山県へとエリアを拡大する。
アサヒ・キリンの両社はこれまで愛知県・滋賀県にある工場から配送先まで、200-300キロの距離をトラック配送で行ってきたが、ドライバー不足など、トラック配送に替わる新たな物流体制の構築が共通課題となっていた。
今回の協業を通じ、年間1万台相当の長距離トラック輸送を鉄道コンテナにモーダルシフトし、2700トンのCO2を削減できる見込み。
アサヒ・キリンの両社は11年8月から首都圏で小口配送を共同化したほか、茨城・埼玉・長野・静岡の4県の一部地域で空容器の共同回収も行っており、日通とJR貨物と協力することで、新たな物流モデルを確立する。
■配送センターの概要
名称:アサヒビール金沢配送センター・キリン金沢物流センター(仮称)
所在地:石川県金沢市専光寺町イ54日通専光寺物流センター内
敷地面積:5000坪
建物面積:1200坪(倉庫3棟のうち1棟)