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韓国政府、韓進海運破綻の影響食い止めへ総力

2016年9月6日 (火)

国際韓国海洋水産部のキム・ヨンソク長官は4日、韓進海運の法定管理(日本の会社更生法に相当)申請に伴い輸出入などの物流に支障が生じていることを受け、9省庁の次官が参加する対策会議を開催し、海運・港湾・輸出入部門への影響と対応策を確認した。

キム・ヨンソク長官は「今回の事態が『物流大乱』につながり、輸出などの実体経済へ波及しないよう関係省庁間の有機的な協力を通じて利用可能な政策手段を総動員し、業界の被害支援に最善を尽くす計画だ」と述べた。

韓進海運の破綻という困難を克服していくために、「(韓国)政府の努力だけでなく、海運・物流業界関係者の積極的な協力、特に被害を被る荷主のために韓進海運の責任ある姿勢と協力が必要」だとして、物流業界と韓進海運による積極的な関与を要請した。

会議には海洋水産部、企画財政部、外交部、産業部、雇用労働部、国土海洋部、金融監督院、関税庁、中小企業庁が参加し、省庁ごとの被害対応状況を確認したほか、今後の支援策を検討した。

まず、政府横断的な対応体制を整えるため、海洋水産部などが運営している緊急時対応の半分を、企財部と海洋水産部の次官が共同チーム長となる企財部、海洋水産部、外交部、産業部、雇用部、国土海洋部、金融監督院、関税庁、中小企業庁など関係省庁で構成する合同対策タスクフォースに拡大改編し、状況を毎日確認して、現場の問題解決にあたることとした。

次に、韓国の輸出企業の被害を最小限に抑えるため、出荷された貨物の荷役を早期に行う必要があるとの認識で一致し、韓国内の港湾で通常のオペレーションを行うこと、通関手続の迅速化、韓進海運の取引先の被害を最小化するための案――などを議論した。

これにより、輸出貨物が到着する予定の港湾で在外公館と関係機関を中心に現地対応チームを編成し、韓​​進海運の船舶が早急に入港して貨物を荷役することができるよう、相手国政府、ターミナルと協議していくことを決めた。

また、韓進海運側が43か国の裁判所に差し押さえ禁止の適用を申請しているのに対し、これらの国で速やかな手続きが行われるよう要請し、船舶の差し押さえが最小限にとどまるよう取り組むことを確認した。

海洋水産部は当初予定された代替船を計画通り、北米航路に4隻、欧州航路に9隻を追加投入し、既存航路の一部の寄港地を拡大する案を追加で検討。追加で韓国内の港湾に寄港する韓進海運の船舶に対しても荷役作業が正常に行われるよう、「非常システム」を用意する。

さらに、関税庁は物流業界とホットラインを構築し、24時間の緊急システムを運営、輸入、輸出貨物の通関手続きの簡素化、取卸貨物の搬入期間と保税区域からの搬出延長といった支援対策を行う。

また、金融監督院は韓進海運の協力会社と取引銀行と面談し、メーカーが抱える問題を直接把握する体制を敷く。企業向け金融を手がける韓国産業銀行の本店に設けられた対応チームなどを介し、韓進海運の取引先にかぎらず、中小荷主を支援する。