M&A帝国データバンクは5日、元東京納品代行のTNDウエアハウス(東京都江東区)が3月31日に東京地裁から破産手続き開始決定を受けたと発表した。既報。
同社は、1970年2月に設立。72年に東京納品代行に商号を変更し、百貨店向けに納品代行事業を手がけ、2007年1月期には売上高187億5600万円を計上していた。
しかし、設備投資、海外不動産や子会社に対する投資負担などで一時年商を上回る借入金を抱えたことから、所有不動産の売却などにより金融債務を圧縮。金融機関支援のもとで不良債権と借入金の圧縮に取り組んできた。
その一環で、新会社として東京納品代行を設立し、09年1月期に納品代行事業・商品管理事業を新会社に承継、同社は現商号TNDウエアハウスに変更し、不動産賃貸業を手がけていた。
こうしたなか、ジャスダック上場(当時)のインスパイアーに対して同社代表が第三者割当増資を引き受けていたが、インスパイアーは14年9月に上場廃止、15年10月に東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。これにより、株式取得に伴う借入金などの負債を抱え資金繰りがひっ迫したため、16年8月10日に民事再生法の適用を申請し、8月17日に再生手続き開始決定を受けていた。
だが、再生計画案のなかで、保有する土地不動産の任意売却で弁済原資を確保する計画を立てていたが頓挫したため、ことし3月1日付で再生手続き廃止となっていた。
負債は債権者15人に対し31億円。破産管財人には鈴木道夫弁護士(東京都中央区)、破産管財人代理には児島雅彬弁護士(同事務所)が選任されている。