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非行・犯罪有歴者の再挑戦支援、運送などの求人募集

2017年6月15日 (木)

産業・一般「『絶対にやり直す覚悟』のある受刑者の更生を支援したい」として2015年に設立されたヒューマン・コメディ(東京都豊島区)が、非行歴・犯罪歴のある人を対象とした求人誌を制作することになった。

求人誌のタイトルは「チェンジ!」。7月中旬から全国100か所の矯正施設・更生保護施設に送付し、入所中の男性受刑者を対象として採用に興味のある企業との橋渡しを図る。

同社によると、すでに建築業界を中心とした企業が掲載に名乗りを上げており、ほかにも人手不足に悩む運送業や飲食業の掲載を見込んでいるという。

ただし、入所者が実際にこの求人誌を手に取り、就業を希望するかは「未知数」(同社)だ。また、刑務所にも配布する計画だが、「刑務官などとアポイントを取り、求人誌を手渡しする」考えはあるものの、受刑者に行き渡らせることができるかどうか、現時点で確証はない。

「求人情報を見て欲しい人がどれくらい見てくれるのか、どのようにしてその人たちに情報を届けるのか、まだ手法が確立できていないのは事実。人手不足という課題を抱える運送業界などと『やり直す覚悟』のある人をつなぐ架け橋になりたいという思いで、求人企業の募集を開始した」(三宅晶子社長)

三宅氏が話す通り、求職層へのリーチが見通せていない状態ながらも求人情報を掲載するのに費用がかかるというのはいかがなものか、という考えも間違いではない。一般的な求人誌とは性格が異なる点には注意が必要で、掲載企業にはハローワークへの登録だけでなく、保釈時の身元引受や寮などの住居手配も求めるという。

現段階で同社の取り組みへの賛同抜きに利用するのはかなりハードルが高いかもしれない。しかし、これまでになかった取り組みであり、再チャレンジを応援することの社会的な意義は小さくないだろう。

「チェンジ!」初回発行号の掲載枠は10社分。郵送と手渡しによる配布を基本とし、掲載料は6万円(税別)だ。必ずしも応募者があるとは限らないが、単に掲載と配布だけでなく、希望に応じて書類審査、一次面接代行、二次面接調整といった、求人企業をサポートする「施設内採用支援コンサルティング」メニュー(応募者1人につき4万円と交通費がかかる)も用意する。

求める答えが得られない可能性は小さくないが、「こんな取り組みがある」ことを知っておくのもいいのではないだろうか。

■問い合わせ先
ヒューマン・コメディ
東京都豊島区東池袋4-23-6
TEL:03-6914-0753
メール:info@human-comedy.com