財務・人事邦船3社の2018年3月期第1四半期(4-6月期)決算が28日、出揃った。コンテナ船市況の回復などを受け、3社はいずれも大きな赤字を計上した前年同期実績から一転し、それぞれの損益段階で黒字を回復した。
■日本郵船、営業損益145億円改善
日本郵船の2018年3月期第1四半期(4-6月期)決算は、売上高が10.8%増(前年同期比)の5217億2100万円、営業損益が145億円改善して35億7200万円の利益となった。最終損益も127億8800万円の赤字から53億9800万円の黒字へと転換した。
物流事業が米州の陸送事業で取扱量を減らし、運賃も下落するなどして不振だったものの、定期船、航空運送、不定期専用船、その他の事業で前年同期の赤字から黒字に転じたのが寄与した。
今期は第2四半期以降もコンテナ船部門で堅調な荷動きが続き、運賃が安定する見通しで、航空運送も好調な運賃水準と貨物需要が持続するとみて、通期売上高2兆1120億円、営業利益215億円、最終利益50億円を見込む。
累計(百万円) | 前年同期比 | 対売上高利益率 |
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売上高 | 521,721 | 10.8% | |
営業利益 | 3,572 | - | 0.7% |
経常利益 | 10,279 | - | 2.0% |
当期利益 | 5,398 | - | 1.0% |
■商船三井、ドライバルク・コンテナ船寄与し営業黒字回復
商船三井が28日に発表した第1四半期決算は、ドライバルク船事業が底堅く推移し、コンテナ船事業の復調も寄与して売上高が12%増(前年同期比)の4032億8400万円、営業損益が11億4700万円と黒字を回復した。
この勢いは第2四半期も継続する見込みで、油送船事業で前提としていたマーケットが想定を下回るものの、コンテナ船事業の旺盛な荷動き、運航コスト削減効果などで損益が改善する。中間業績は売上高が150億円アップ(当初予想比)の8200億円、営業利益が100億円アップの60億円、純利益も130億円アップの60億円へ修正した。
累計(百万円) | 前年同期比 | 対売上高利益率 |
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売上高 | 403,284 | 12.0% | |
営業利益 | 1,147 | - | 0.3% |
経常利益 | 5,885 | 702.6% | 1.5% |
当期利益 | 5,251 | 274.7% | 1.3% |
■川崎汽船、コンテナ・不定期専用船事業が黒字化
川崎汽船も同日第1四半期決算を発表。売上高が17.5%増と大幅に増加し、コンテナ船事業と不定期専用船事業が前年同期の部門営業赤字から黒字へと転換したことで全体の営業損益は180億円以上改善、38億7800万円の利益を確保した。これに伴い、最終損益も267億9300万円の損失から85億2300万円の利益へと転じた。
累計(百万円) | 前年同期比 | 対売上高利益率 |
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売上高 | 287,375 | 17.5% | |
営業利益 | 3,878 | - | 1.3% |
経常利益 | 5,970 | - | 2.1% |
当期利益 | 8,523 | - | 3% |