アパレル小売・EC(電子商取引)向けコンサルティングを手がけるユア・リテール・コーチ(YRC、インド)は9日、オンラインアパレルブランドの返品とリバースロジスティクスに関する調査結果を発表した。調査では、多くのオンラインアパレルブランドで返品が注文全体の30-50%に達し、成長を支えるはずの受注が利益を押し下げる要因になっていると指摘した。
YRCによると、オンライン衣料品の返品率は20-40%で、一部のファッション分野では50%を超える。返品理由ではサイズやフィット感の不一致が53%を占め、最大の要因となっている。複数サイズを同時購入し、合わない商品を返品する「ブラケティング」も衣料品返品の30-40%を占めるという。返品処理には1点あたり10-65ドルの費用がかかり、返品商品のうち定価で再販売できる割合は48%にとどまる。返品率が25%の場合、限界利益の最大70%が失われる可能性があるとしている。
同社は、返品を単なる配送や返送の問題ではなく、商品ページやサイズ表、販売時の情報設計に起因する収益課題として捉える必要があると分析。とくにサイズ表の精度、商品写真、説明文、着用感の表現が実際の商品とずれることで、購入者が事前に判断できず、結果として返送量が膨らむ構造があるとみている。
調査では、返品削減に向けた対策として、SKUやカテゴリー別の返品診断、サイズ表とフィット情報の監査、商品ページとマーチャンダイジングの修正、ブラケティング抑制策、返品後の商品検品・再在庫化・補修工程の再設計を挙げた。パンツなど特定カテゴリーでは、1つのカタログ内で返品の最大65%を占める場合もあり、商品別に原因を特定することが重要になる。
リバースロジスティクス面では、返品商品の検品や再入庫、補修を迅速化し、再販売可能な在庫を価値が下がる前に販売ルートへ戻す運用が求められる。返品率という表面的な指標だけでなく、返品1件ごとの実コストや限界利益への影響を把握することで、経営判断に使える収益管理へつなげる狙いだ。
オンラインアパレルでは送料無料・無料返品が定着し、消費者の複数サイズ購入も一般化している。YRCは、返品手数料だけではこうした行動変化を十分に抑えられないとし、商品情報の精度向上と返品後工程の見直しを組み合わせる必要性を強調している。
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