ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

商船三井、入社式「大局観身につけよ」

2012年4月2日 (月)

イベント商船三井の武藤光一社長が2日入社式で行った訓示は次の通り。

 

大海原を航海する「商船三井グループ」という船に乗り合わせる新しい仲間となったことを、心より歓迎する。

 

私たちが航海を続けている世界の動きは刻々と多な変化の兆しをみせている。特に今年は、主要国の大統領選挙や中国の国家主席の交代など、世界が大きく変わる潮目となっている。

 

このように社会・経済の変化著しい局面に立ち向かっていく社会人として、新入社員の皆さんに忘れずに心がけてもらいたいこと、約束してもらいたいことが3つある。

 

1.仕事をする上で
会社に寄りかかるのではなく、自分は会社にどういう貢献ができるのか、どのような価値を生み出すことができるのかを常に考えて行動してほしい。

 

会社というのは一人ひとりの価値の集合体だ。各自が果たした貢献の積み重ねが大きな価値を生み出し、また単純な足し算ではなく掛け算となって更なる大きな価値を生み出すことにもなる。

 

繰り返しになるが、自分は会社に対しどういう貢献ができるのかを常に考え、主体的に行動を起こしてほしい。

 

2.素養・資質
大局観をもって粘り強くやり抜く行動力を身につけてほしい。大局観を身につける要諦は、まずは一生懸命自分で考えて、目の前の仕事を着実に行うこと。

 

加えて周りのことに興味・関心をもち、新聞・経済誌をよく読んで、社会で何が起き、経済がどう動いているかを知る地道かつ継続的な努力が必要になる。

 

大局観を身につける行動習慣は、これから皆さんがキャリアを積み重ねていく上でとても大切だ。また、グローバルなフィールドで活躍する上では、英語力も重要になる。

 

ジャパニーズ・イングリッシュで十分だから、大いに英語力を鍛えてほしい。

 

3.組織で働く人間として
プロの社会人となった意識をもってほしい。

 

ルール・約束を守り、倫理に則り行動することは当然だが、組織で働く者としては、協調精神、コミュニケーション能力、人を説得する力・説明力であるアカウンタビリティを身につける必要がある。

 

これらの力をしっかりと身に付け、人と上手く仕事を進め、組織を動かしていくリーダーシップを発揮することを期待する。

 

商船三井は、1884年創業の大阪商船を前身として、本日128年目の創立記念日を迎える。この長い歴史を支えた先輩たちは、血の滲むような努力と額に汗して英知をかたむけ、幾多の艱難辛苦を乗り越えてきた。

 

これからの皆さんの前にも、決して楽しいことばかりではなく、苦しいこともたくさんあるだろう。

 

「鉄は熱いうちに打て」と言うが、若い皆さんにとっては、意識して困難に立ち向かい、心を開いて行動すれば、特に現下の厳しい環境での経験は将来の血となり肉となるかけがえのない財産となる。

 

そして、皆さんがこれから活躍する海運業には無限の可能性が広がっている。海運業はものを動かすことにより価値を生み出し、世界中の貧富の格差を少なくし、人々を豊かに幸せにする産業だ。

 

世界中で事業展開している商船三井グループは、これからの皆さんの夢・希望・大きな志を実現し、人生を託すにふさわしい舞台。その舞台で、どんな難題に直面しても、常に当事者意識を持ち、解決策を見出し、関係者と協調しつつ、自らその解決策を実践し、新しい価値を生み出していく自律自責型の人材を目指して着実に前進してほしい。