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宮崎カーフェリー特別清算申請へ、負債80億円

2017年11月20日 (月)

M&A帝国データバンクによると、宮崎カーフェリー(宮崎市)と関連の宮崎船舶(同)の2社が20日、事業を新会社に譲渡したうえで解散し、特別清算を申請する方針を固めたことがわかった。

宮崎カーフェリーは、2004年4月に経営難に陥ったマリンエキスプレス(宮崎市、05年12月に特別清算開始決定)から事業を引き継ぐ形で設立。同年6月に宮崎港-大阪南港と、宮崎港-日向細島港-大阪・貝塚港を結ぶ2航路の営業を譲り受けて事業を開始し、06年3月期には60億5200万円を売り上げた。

しかし、マリンエキスプレスから転籍した従業員の労働債務を引き継いだこともあり、当初から大幅な債務超過を余儀なくされていた。原油高を背景とする燃料費高騰のなか、06年4月に貝塚航路から撤退する一方、燃料油価格変動調整金(バンカーサーチャージ)の導入などで立て直しを図ったが、09年には高速道路料金引き下げが実施されたこともあって10年3月期の売上高は46億300万円までダウン。同期から5期連続で経常赤字が続き、債務超過額が拡大していた。

さらなるコストダウンを目的に14年10月には大阪南港発着から神戸港発着に変更したが、東九州自動車道の整備進捗とともに貨物需要が大分港に流出するなど、収益改善の見通しが立ちにくくなるなか、関係会社も含めた債務償還のメドが立たないとして、メーンバンクとともに地域経済活性化支援機構(REVIC)に支援を申し込み、11月14日付で再生支援の決定を受けた。

宮崎船舶は03年8月に設立。マリンエキスプレスが所有していた船舶4隻を譲り受け、マリンエキスプレス、宮崎カーフェリーに裸用船として貸し渡していた。06年に2隻を売却したものの、多額の債務超過に陥っていた。

負債は2社合わせてで推定80億円。現在もフェリーの運航は継続中で、2社は今後、それぞれの事業を地元自治体や企業、REVICなどが出資する新会社に分割譲渡したうえで解散し、金融機関からの債務免除を受けるために特別清算を申請する見通し。