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旧・宮崎カーフェリーなど2社、特別清算開始へ

2018年8月28日 (火)

ロジスティクス帝国データバンクによると、福岡マゼラン(旧:宮崎カーフェリー)と、関係会社の福岡セラーン(旧:宮崎船舶)の2社が、15日に福岡地方裁判所から特別清算開始命令を受けたことが、28日わかった。既報。

福岡マゼランは、2004年4月に経営難に陥ったマリンエキスプレスからの事業継承を目的として宮崎カーフェリーの商号で設立。同年6月に宮崎港-大阪南港と、宮崎港-日向細島港-大阪・貝塚港を結ぶ2航路の営業を譲り受けて事業を開始し、2006年3月期には年売上高60億5200万円を計上していた。

しかし、前身会社から多額の債務を引き継いだこともあり、当初から大幅な債務超過を余儀なくされていた。原油高を背景に燃料費が高騰するなか、06年4月に貝塚航路から撤退するほか、燃料油価格変動調整金(バンカーサーチャージ)を導入。14年10月には航路を大阪南港発着から神戸港発着に変更するなどで立て直しを図っていたものの、関係会社も含めて債務償還のメドが立たないことから、メーンバンクとともに地域経済活性化支援機構(REVIC)に支援を申し込み、17年11月14日付で再生支援の決定を受けた。

こうしたなか、ことし2月28日開催の株主総会決議により解散。3月1日付で宮崎ひなた(同日付で宮崎カーフェリーへ商号変更)に対してカーフェリー事業を分割譲渡のうえ、現商号へ変更し、所在地を福岡市内へ移転していた。

福岡セラーンは、03年8月に宮崎カーフェリー(有)の商号で設立、04年4月に宮崎船舶に商号変更した。マリンエキスプレスが所有していた船舶4隻を譲り受け、マリンエキスプレスと旧・宮崎カーフェリーに対して裸傭船として貸し渡していた。06年に2隻を売却したものの、多額の債務超過に陥っており、一連の事業再生の中で船舶を新・宮崎カーフェリーへ売却し、ことし3月1日付で現商号へ変更し、同様の措置となった。

負債は現在調査中。

なお、清算した2社はいずれも旧事業会社。事業の分割譲渡を受けた新・宮崎カーフェリーは、REVICのほか、宮崎県、宮崎市、地元企業などから11億5000万円の出資を得るほか、地元金融機関などから30億円の融資を受けて、旧・宮崎船舶(現:福岡セラーン)から「みやざきエキスプレス」「こうべエキスプレス」の2隻を取得。3月1日から神戸-宮崎間のフェリー運航事業を引き継いでおり、現在も運航を継続している。今後は、新船の建造を目指し、収益性を高めていく方針。