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中国出張ビジネスマン向け通関代行の需要が急増

2018年2月20日 (火)

(以下画像の出所:スキャンウェルロジスティクス)

空白

話題昨年7月にスタートした中国の通関一体化改革に関連し、商談などの仕事で中国へ出張に赴くビジネスマンの中に、現地空港で足止めされるケースが増加している。

中国では昨年7月1日から、全土を対象とした税関リスク予防コントロールや税収管理業務の統合といった改革を開始。これに関連し、従来なら比較的緩やかだった携行品のチェックが徐々に厳しくなり、出張者が携行するサンプル品、商談商材、スペアパーツといった「商業用品」を没収する事例が増え、中にはその場で帰国を余儀なくされるケースもあることから、円滑に商談を進めたい企業にとって頭の痛い問題となってきたといえよう。

こうした問題に対処可能な代行事業者は中国でも増えつつあるが、日本に拠点を持ち、日本企業向けに通関や現地到着後の配送までをカバーする事業者は少ない。

その1社であるスキャンウェルロジスティクス(東京都港区)の担当者は「日本では、商業用の携行品であっても30万円未満なら申告する必要はないが、中国ではもともと、価格にかかわらず申告が義務付けられていた。それでも昨年10月ごろまでは、商業用品の持ち込みを代行する物流会社が出向くことで通関の円滑化を図ることができていた」と説明、現在は現地税関の対応がさらに厳しさを増し、事前対策が欠かせなくなってきたと明かす。

例えば、金型を携行する日本人ビジネスマンが上海浦東空港へ降り立った場合、「輸入者」となる現地企業が必要な書類を提出できるまで待つ必要があり、「空港で足止めされる期間が2日ならまだいいほう」だという。

中国出張を円滑に終えるため、こうした事業者のサービスに対する需要は高まりつつあり、同社も「正式なサービスメニューとして扱っていなかった」という携行品の「輸出入通関代行」を“ハンドキャリー通関サービス”としてこのほどメニュー化。日本に拠点を持ち、現地でも日本語と日本企業向けの業務に精通したスタッフが対応できる強みから、利用者が伸びている。

現地空港で困難に直面してからでも「対応可能」だが、より円滑に代行するためには「出発の2日前」までに連絡することが望ましいとのこと。「ハンドキャリーで対応可能な少量品だけでなく、例えば20箱、200キロなどの金属パーツの輸入通関でも問題なく対応でき、展示会への緊急輸送で利用される場合もある」

事前準備をどうすればいいかわからないという向きには、「早いほどいいが、1週間前まで問い合わせてもらえると、ほぼ例外なく準備を整えられる」(スキャンウェルロジスティクス担当者)。事前に準備せずに空港で足止めされ、同社が通関を代行する間、待つのが厳しい場合は、通関後に荷物を滞在先のホテルや事務所などに届けるサービスにも応じる。

■スキャンウェルロジスティクスの連絡先
TEL:03-6809-5667(上海の通関担当者直通)
メール:handcarry@scanwell.co.jp