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海保庁、海賊対策で比・尼へ「つがる」派遣

2018年6月21日 (木)

▲巡視船「つがる」(以下画像の出所:海上保安庁)

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ロジスティクス海上保安庁は26日から1か月間、東南アジア海域の海賊対策として巡視船「つがる」(総トン数3100トン、ヘリコプター1機搭載)をフィリピンとインドネシアへ派遣する。

インド太平洋海域の結節点となる東南アジア海域で海賊対策として2000年から同海域に巡視船を派遣しており、今回の派遣中は公海上で哨戒活動のほか寄港先の関係機関と連携訓練を行う。

フィリピンではスールー海・セレベス海で船員の誘拐を目的とした海賊事案が発生していることを踏まえ、セレベス海の公海上で哨戒を行うほか、同国沿岸警備隊(PCG)の巡視船とともに連携訓練を実施。日本がPCGに供与した40メートル級巡視船2隻と、アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センターも参加する。同国には寄港せず、沖合で連携訓練を行う。

16年3月以降、フィリピン沖のスールー海・セレベス海では、身代金目的の船員誘拐などの重大事案が発生していて、同国政府は安全推奨航路を設定したほか、監視レーダーを設置するなど監視・警戒を強めている。同海域の海賊発生件数は16年16件、17年7件、18年1件。

▲昨年度のフィリピンでの高速航行訓練

インドネシアでは同国海上保安機構(BAKAMLA)、国家捜索救助庁(BASARNAS)、海運総局警備救難局(KPLP)、海上航空警察(IMAP)の4機関との初の連携訓練を実施し、昨年10月に発足した海保庁モバイルコーポレーションチーム(MCT)による初の研修も予定している。併せて海上保安協会による研修を行う。

今回の寄港は、日尼国交樹立60周年の記念行事の一環として行うもので、同国の関係当局や在尼邦人を対象とした船内見学会を計画している。

▲マレーシアでの海賊対処訓練