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日通が政府米保管で事故隠蔽、検査印を偽造

2018年7月4日 (水)

事件・事故日本通運は4日、広島支店で2014年6月に、倉庫保管中に雨漏りで外装が濡れた政府所有米穀15袋について、同支店社員が新袋に詰め替え、偽造した検査印を押印する不正行為が発覚した、と発表した。農林水産省から三菱商事が受託した政府米販売業務で、日通は保管や品質管理、運送の委託を受け、同支店で保管していた。

14年6月、広島支店の社員が、倉庫保管中に雨漏りのため外装が濡れた12年産の政府米(1袋30キロ、玄米)15袋について、中の玄米が濡れていなかったことから、新袋に詰め替え、偽造した検査印を押印。加えて、15年2月と16年9月頃、保管中の荷崩れなどで外装が破れた14年産の政府米計251袋を新袋に詰め替え、同様に偽造印を押印した。

これらの不正行為のうち、12年産の政府米15袋は、16年5-6月にかけて飼料用米として飼料工場1か所へ出庫された。なお、主食用としては流通していないという。

外装の破れにより詰め替えされた14年産の251袋は、同社で「厳重に保管」されており、今後、同じ倉庫で保管されていたほかの政府米とあわせて全4万3854袋(1316トン)を焼却処分する。

日通は不正行為発覚後、ことし4月から5月にかけて現在の保管政府米に関するコンプライアンス違反行為の有無と保管管理日誌の調査を全社的に実施した。政府米業務の異常発見時の即時報告体制について、継続して社員教育を実施するとしている。