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三菱造船、トラック166台積載可能な大型フェリー進水

2018年7月5日 (木)
空白

荷主三菱重工業は5日、同社グループの三菱造船が太平洋フェリー向けに建造中の大型フェリーの命名・進水式を行ったと発表した。

名古屋-仙台-苫小牧各港間の定期航路に就航する大型フェリー3隻のうち「きたかみ」の代替となるもので、大部屋をなくしてプライバシーの確保と機能性向上を実現し、在来船名を引き継ぎ「きたかみ」と名付けられた。2019年1月の完成・引渡し後は、苫小牧港から仙台港に向かう定期航路に就くことになっている。

同船は17年9月7日から建造しており、長さ192.5メートル、幅27メートル、総トン数1万4000トンで、8階構造の船内は、1階から5階が車両甲板でトラック166台、乗用車146台を積載できる。

6階から7階は定員535人の旅客フロアで、客室、レストラン、展望大浴場などで構成。最上階の8階は、操舵室(ブリッジ)と乗組員用スペースとなっている。太平洋フェリー向けの新船建造は、11年3月に同航路に就航した「いしかり」以来8年ぶりで、同社向け累計では6隻目となる。

デザインコンセプトは「SPACE TRAVEL」(スペーストラベル)で、夕暮れに乗船し夜間の航海となる運航ダイヤの特性を踏まえ、星空の旅を連想させるデザイン設計。また、「コンパクトでありながらも快適で楽しさの詰まった空間づくり」を目指し、11タイプの多様な客室構成とし、個室以外は大部屋に代えてすべてカプセル寝台を採用した。

環境面への配慮では、新型最適船型の採用などにより、10%の省エネルギーを実現。建造にあたっては、経済産業省と国土交通省の17年度「トラック・船舶等の運輸部門における省エネルギー対策補助金」の補助を受けている。

新しいきたかみは今後、艤装岸壁に係留され内装などの工事を経て、19年1月20日に引渡しを行う。