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監督指導のトラック事業場8割超で労基法違反

2018年7月31日 (火)

話題厚生労働省は7月31日、「自動車運転者を使用する事業場」に対する2017年の監督指導や送検の状況を公表した。17年はトラック運送業4295事業場へ監督指導を行ったが、このうち84%にあたる3607事業場で労働基準関係法令違反があった。また、最大拘束時間などを定める改善基準告示違反も69%にあたる2963事業場で確認された。

トラック運送業では、15年から17年までの3年間で監督実施事業場の数が2783→3150→4295と右肩上がりで増えていて、これに伴い労基関係法令違反が2390→2585→3607、改善基準告示違反が1944→2088→2963と、ともに急増している。

労基関係法令違反の中では、労働時間違反が2595事業場(監督実施事業場数の60.4%)、割増賃金違反が888件(20.7%)、休日違反が201件(4.7%)の順で多い。改善基準告示違反は、最大拘束時間違反が2274件(52.9%)、総拘束時間違反2053件(47.8%)、休息時間違反1674件(39%)、連続運転時間違反1271件(29.6%)、最大運転時間違反828件(19.3%)――との順となっている。

また、労基関係法令違反で送検に至った件数は50件で、16年からは4件減少したものの、バス、タクシーなどを含めた自動車運送業全体でみると、61件の大半をトラックが占めている状況は変わっていない。

これらの中には、大型トレーラーによる死亡事故を発生させた事業場で、事故車両の運転者などに違法な長時間労働を行わせていた事例や、監督・監査の際に違法労働を隠蔽(ぺい)する目的で、労働基準監督官に虚偽の運転日報を提出したもの、運転者に精神疾患を発症させた事業場で、この運転者らに違法な長時間労働をさせていた事例――などがある。

(事業場=労働基準法令でいう「一定の組織的な作業のまとまり」)