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マースク・IBM主導のBC物流基盤に世界94社参加

2018年8月10日 (金)
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話題コンテナ船世界最大手のマースクは9日、IBMと共同出資で設立したブロックチェーン技術を用いる国際物流プラットフォーム運営会社「トレードレンズ」(TradeLens)に、各国の港湾運営会社、船社、3PLなど94の企業・組織が参加することに合意した、と発表した。年末までには「完全に商業的に利用可能になる」(マースク)見込み。

マースクとIBMは、ブロックチェーンに対応した出荷ソリューションの開発に取り組んでおり、次世代の国際貿易プラットフォームとして世界標準を目指し、1月にプロジェクトの立ち上げを明らかにしていた。

トレードレンズは、IBMのブロックチェーン技術を使用し、プライバシーや機密性を損なうことなくトランザクションを確立・共有できるよう設計されていて、各国の運送会社、海運、フォワーダー、港湾運営者、ターミナルオペレーター、内陸輸送、税関当局といった関係者はこの仕組みを利用することで、IoT、温度制御、コンテナ重量といったセンサーで計測したデータを含む出荷書類をリアルタイムにやり取りすることができるようになる。

12か月のテスト運用中、マースクとIBMは数十社のパートナーでシステムを稼働させ、ドキュメントのエラー、情報の遅延、その他の障害による遅延の防止に向けた課題解決に取り組んでいたが、例えば米国では「生産ラインに包装資材を出荷するためにかかる時間を短縮する方法」を実証し、40%のコスト削減を確認するなどの成果を上げた。

また、「自分(自社)のコンテナがどこにあるか」という基本的な質問に対し、これまでは10のステップと5人の人間が関わっていたところ、トレードレンズを用いることで、1ステップと1人の人間で完結できることを確認した。

現在はUN/CEFACT標準にトレードレンズをAPI連携させるための作業に取り組んでおり、マースクでは「トレードレンズAPIはオープンなプラットフォームが用意されている」と開かれた仕組みであることを強調。すでに早期導入プログラムも入手可能な状態となっている。

■トレードレンズの詳細
https://tradelens.com