ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

Fedex、日・シンガポール高校生にビジネスコン

2018年8月29日 (水)

イベントフェデックスエクスプレスは28日、公益社団法人ジュニア・アチーブメント日本と、学生のビジネス・リーダーシップスキルを育成する、ビジネスアイデアコンテスト「アジア・イノベーション・チャレンジ」(AIC)の最終審査会を同社の幕張オフィスで26日に行ったと発表した。

審査会では、日本とシンガポールの高校生(各国2人、合計4人1チーム)により構成されたチームが共同で、ASEAN諸国のミャンマー、タイ、ブルネイのうち1か国をターゲット市場として選び、その国の社会問題の解決や改善に寄与する商品・サービスを考案して発表した。

優勝したチームが考案したのは「ブルネイ市場に向けた、デング熱対策を施したイスラム教徒の女性用のスカーフと衣装の販売」。イスラム教徒が多く、肌の露出を防ぐためのスカーフ(ヒジャーブ)と衣装(アバヤ)を着用する女性が多いブルネイでは、年間を通して気温が高いため、薄手の生地の服がよく売れている。そのため蚊を媒介とするデング熱に感染する事例が多く報告されている。ペットボトルをリサイクルしたポリエステルを基にし、人体には無害な殺虫剤でコーティングをした素材を使用した、ヒジャーブとアバヤのインターネットショップでの販売を提案した。

また、準優勝チームは「タイにおける性犯罪率の減少をサポートする教育ビジネス」で、性犯罪に関して混乱した情報が流布されることもあるタイで、学生に対する性教育を実施するビジネスを提案した。将来に向けて教育者の育成も行うことで、性感染症や意図しない妊娠の予防、性的暴力の減少への貢献も期待する。

3位は「ミャンマーに向けた、リハビリ機材を提供するビジネス」で、他国と比較して脳梗塞患者が多いとされるミャンマーではその後のリハビリを行う人も多いが、その料金には保険が適用されないことから、リハビリを継続するための経済面での負担を軽減し、自宅で使用できる安価なリハビリ機材を提供するビジネスプランを考えた。

プログラムに参加した学生は、「海外の学生と共同作業は初めての経験だった。シンガポールの生徒とは対面ではなく、SNSやコミュニケーションアプリを駆使しながらコミュニケーションをとり、プレゼンテーションを仕上げた。文化や国民性の違いがあり、コミュニケーションが上手く取れないことがあったが、このプログラムでさまざまな刺激を受けて成長につなげられたと思う」と感想を述べた。

AICはことしで4回目の開催となり、くじ引きで組み合わせた4人から構成される23チーム、合計92人の日本、シンガポールの高校生が参加した。

コンテストでは、海外の学生と共同で課題に取り組むことで、英語力、背景や文化が異なる人とのコミュニケーション能力、情報収集能力、分析能力、発想力、プレゼンテーション能力など、グローバル人材に求められる資質を経験する。フェデックスの従業員4人がメンターとして参加し、海外にいるチームメンバーとの効果的なコミュニケーションの取り方や、資料のまとめ方などをアドバイスし、学生たちの質問に答え、活動をサポートした。