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コンテナ船統合のONE、通期赤字予想に転じる

2018年10月16日 (火)

話題川崎汽船、商船三井、日本郵船の海運大手3社による定期コンテナ船事業統合持株会社「オーシャンネットワークエクスプレスホールディングス」(ONEホールディングス)は16日、上半期と通期(2019年3月期)の業績予想を下方修正した。

4月に設立されたONEホールディングスは、初年度からの黒字を目指していたが、ONE社が導入したITシステムに対するスタッフの習熟度が不十分で、人数も不足していたことからブッキング受付やドキュメンテーション業務が滞るといったサービスの混乱で積高・消席率が落ち込み、7月以降も主力の北米航路などで貨物量が想定を下回って推移。通期税引き後損益が当初予想の1.1億ドル(123億円)の黒字予想から一転、6億ドル(672億円)の赤字に陥る見通しとなった。

定期コンテナ船事業は4月の営業開始直後に発生したサービス混乱の影響で積高・消席率の落ち込みが生じ、7月から9月の貨物繁忙期にかけて巻き返しを図ったものの、主力の北米航路のほかアジア域内航路などでもその影響が残り、想定を下回って推移した。

この影響で運賃収入が減少し、北米発アジア向け、欧州発アジア向けといった復航の積高減の影響でアジアへのコンテナ回送費用が増加したことも損益を圧迫した。「サービスの混乱はすでに収束して」いるが、積高・消席率の回復は依然として途上にあり、燃料油価格の高騰に対応した追加的コスト削減が目標額を下回る見通しとなったことも影響して下方修正に至った。

下期の動向について、米中貿易摩擦の影響も懸念されるが、親会社の3船社は直近の荷動き動向を勘案して「一定程度織り込んでいる」としている。