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マッチングにSBSフレックや日通など参加

宮城県、トラック免許とフォーク両方の費用全額負担

2018年11月27日 (火)

話題宮城県は、県内の物流事業者でトラックドライバー不足や高齢化が深刻化していることを踏まえ、物流人材の育成・確保に向けた事業を強化する。物流企業への就職を希望する求職者向けに物流入門セミナーを開講し、受講者と県内物流企業とのマッチング機会を創出。就職が決まった人材には大型・中型・準中型のいずれかのトラック運転免許取得とフォークリフトの運転技能講習受講費用を県が全額負担する。

11月下旬から12月にかけて仙台市内で3回の物流入門セミナーを開催するが、併催される個別面談会にはSGムービング、日本通運などの物流企業が参加する。

全国的なトラックドライバー不足を背景に、免許取得と就業サポートをセットにした支援に乗り出す自治体が増えてきた。宮城県のほかに神奈川県や滋賀県がトラック運転免許の取得と物流企業への就業支援をセットにした支援活動を展開しているが、いずれも厚生労働省による支援事業を活用する。

神奈川県の事例では大型・中型・準中型・けん引免許取得費用を県が全額負担し、就職の際に必要となる研修(現場対応力アップ研修)をパッケージ化。滋賀県では大型免許の取得費用を負担する「トラックドライバーコース」とフォークリフト安全講習の受講をサポートする「倉庫業コース」の2コースから選んで受講できる仕組みとなっている。免許の取得費用を支援するタイミングについても自治体によって異なり、神奈川県が「運送会社への就職内定」を支援の前提条件としているのに対し、滋賀県は免許取得時点では不要としている。これら2県は2017年度から事業をスタートした。

対して宮城県の支援事業は18年度からスタート。先行2県と異なり、「大型・中型・準中型のいずれかのトラック運転免許取得」と「フォークリフト運転技能講習の受講」の両方に取り組むことを支援要件としている点が特徴的だ。求職者にとっては、トラックの運転資格とフォークリフトの運転資格の両方を取得することができるため、より柔軟な職場選びにつながる。また採用する側の物流企業も、トラックの運転に限定されない人材を採用できることになるというメリットがある。

ただ、採用側の物流企業の規模が小さかったり、事業内容によって「両方の資格は不要」と考えたりするところもあるためか、「比較的大規模な事業者からのニーズが強くなる傾向にあるようだ。小規模な事業者にはハードルが高くなっている可能性がある」(宮城県商工金融課)。

支援募集の枠は初年度の18年度が20人、19年度と20年度がそれぞれ40人となっているが、先行して10月に開講した3回の物流入門セミナーでは「予想以上に受講者が少なかった」(同)という。周知不足だけでなく、こうした「ハードルの高さ」がネックとなった可能性もありそうだ。

同県の取り組みは物流求職者向けの支援メニューだけでなく、県内3地域で高校生向けセミナーとして「物流の授業」を並行して実施し、「将来、物流業界への就職を考えている」という若手人材へ積極的にアピールすることで、物流求職者を増やす努力にも注力している。

■物流入門セミナーの開催概要
日時:第1回11月30日(金曜日)(1)13時~(2)16時30分~、第2回12月7日(金曜日)(1)16時30分~(2)18時30分~、第3回12月14日(金曜日)(1)13時~(2)16時30分~
会場:仙台市生涯学習支援センター(パルシティ仙台5F)、仙台市宮城野区榴ヶ岡4丁目1-8(ハローワーク仙台隣)
内容:(1)事業内容の説明物流業界のお仕事概要30-40分(2)参加企業(4-5社)との個別面談会60分
詳細:http://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/713678.pdf

■問い合わせ先
キャリアバンク(委託先)
〒980-0014仙台市青葉区本町2-10-33第二日本オフィスビル8F
TEL:022-393-6020
メール:m-butsuryu@career-bank.co.jp