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シベリア鉄道「護衛料」問題、ロシア側が改善表明

2012年6月13日 (水)

行政・団体国土交通省は13日、ロシア運輸省との間で、ロシアにおける物流を中心とした日露運輸分野での課題・政策について意見交換する次官級会合(11日開催)の結果を公表した。

 

シベリア鉄道を利用した企業などが、正規料金以外に「護衛料」として請求され、コスト高の要因になっているとの指摘がされていた問題については、輸出入手続きや税関手続きの簡素化、積替え時間の短縮などと併せて「シベリア鉄道、極東港湾の利用促進」をテーマとした全般的課題の一環として、日本側が指摘。

 

これに対し、ロシア側は「これらの課題の解決のため関係機関と共有しつつ改善に努める」と表明した。この問題をめぐっては、今回の次官級会合の前から「まるで”みかじめ料”のようだ」といった利用企業からの不満が伝えられており、会合後の官民懇談会の席でも「コスト高の要因になっており、改善してほしい」との声が上がったという。

 

会合ではこのほか、極東ロシアからの穀物輸出について、今後のロシアから日本を含むアジア諸国への穀物輸出が戦略的に重要な問題になることを認識するとともに、極東の港湾で貯蔵施設などを含む専用の穀物ターミナルが整っていないこと、鉄道貨車の不足などハード面のボトルネックが存在することについて、相互に共通認識を持った。

 

また、日本側は鉄道料金などの輸送コストの是正の必要性についても強調し、ロシア側からは極東での穀物専用ターミナルの建設などについて情報提供があったという。

 

ロシア極東から欧州地域への自動車(完成車)輸送については、シベリア鉄道の利用促進に関するこれまでの取り組みを相互に歓迎するとともに、完成車輸送用の鉄道貨車の不足、ロシア極東港湾での自動車ターミナル施設やヤードの不足などハード面のボトルネックが存在するとの認識を共有。

 

将来の需要増に対処するため、インフラを整備することの必要性で共通認識を持った。ロシア側からは、北極海航路を利用した貨物輸送の発展について情報提供があり、日本側は継続的な情報提供を求めた。

 

両国は次官級の作業部会会合を年に1回開催するとともに、今回の会合で議題となった事項の詳細な議論を行うための専門家会合を設置することに合意。課題の解決に向けた進捗状況について、両国議長間で定期的にフォローアップを行っていくこととした。