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JR貨物、機関車を常時監視するツール導入

2019年7月19日 (金)

ロジスティクス日本貨物鉄道(JR貨物)は、リアルタイムに機関車の状態を監視してデータを蓄積・解析するため、東芝インフラシステムズの「リモートモニタリングサービス」を導入する。機関車の保守コスト削減と安定輸送の向上を目指す。

装置の導入に向け、2017年から機関車3両を用いて試験運用を行ってきたが、技術的なメドが立ったことを受け、北海道新幹線との共用区間を走行するEH800形式交流電気機関車全車両に導入。機関車の故障予測などの精度向上を図るため、車両データの収集と分析が必要になると判断した。

これにより、機関車の運転席に設置したIoT端末から車両の状態のデータを自動的に地上サーバーに伝送・蓄積し、リアルタイムに機関車の状態を監視する。伝送されたデータはウェブブラウザを用いて可視化し、インターネット環境があればPC・タブレットなどで監視できるようにする。蓄積したデータは故障予測など幅広い用途に用いる。

これまでは、メモリーカードに蓄積して人手で機関車から運転操作のデータを持ち帰っていたが、サーバーに常時伝送できる仕組みを導入することで、データの抽出にかかる作業時間を短縮し、事故原因を素早く解析できる環境を整える。また、機関車の機器・設備の状態データを蓄積、解析することで、故障の予測や機器の劣化を把握し、車両故障の削減や復旧までの時間短縮につなげる。

19年度末までにEH800形式交流電気機関車20両すべてに導入を完了し、20年度から故障予測の検証分析を開始、効果検証を行う。結果を踏まえ、ほかの形式の機関車への展開を検討する。