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厚労省、改善基準告示見直しへ20年秋に実態調査

2019年12月20日 (金)

行政・団体厚生労働省は19日、ドライバーの労働条件改善に向けた基準を示す「改善基準告示」の見直しを目的に、「第1回自動車運転者労働時間等専門委員会」を開催した。

同委員会は、働き方関連法の成立に伴い、過労死防止の観点から改善基準告示の見直しについて公・労・使の3者で審議をするもので、第1回の審議では2021年12月の告示改正・公布、24年4月の施行に向けた具体的なスケジュールが示された。

20年4月以降に開催する第2回専門委員会で実態調査の方向性をとりまとめ、同年秋をメドに実態調査を開始。21年1月から調査を踏まえた議論を進め、労働条件分科会に報告、同年12月の告示改正・公布を目指す。

働き方関連法では、時間外労働を年720時間までとする一般則とは別に、特例として自動車運転業務は24年4月から年960時間の上限規制を適用するとしており、将来的には一般則の適用を見据えている。専門委員会ではこれを踏まえて次の論点で告示改正に向けた議論を進める。

■拘束時間
・働き方改革関連法の施行を踏まえどうあるべきか
・過労死等の防止の観点から、どう見直すべきか
現基準:1日13時間、1月293時間、1年3516時間(特例あり)

■休息時間
・拘束時間の議論を踏まえどうあるべきか
・インターバル規制との関係について
現基準:連続した8時間以上

■連続運転時間
・安全性を確保しつつ、生産性向上に資するための見直しについて
現基準:4時間の後、30分の休憩

■その他
・年960時間の猶予期間終了後のさらなる改善について(将来的に一般則適用)
・危険物輸送など緊急時の拘束時間の適用除外について

トラック部門の審議には、大学教授、関係労働組合、全日本トラック協会のほか、日本通運の浜島和利執行役員が参加。同委員会は、「ハイヤー・タクシー、トラック、バスといった業態、長距離運行と近距離運行といった運行内容、都市と地方といった地域差――などの実態をよく把握した上での見直しが必要」だとしている。