ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

マイナス125.2の見通しに全ト協「影響甚大、極めて厳しい」

トラック景況感、リーマン後以来の急激な悪化へ

2020年5月14日 (木)

話題全日本トラック協会がまとめた1-3月の「トラック運送業界の景況感(速報)」によると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い経済活動が停滞している影響を大きく受け、輸送量、売上高、営業利益、経常損益が大幅に悪化したことで、業界の景況感が「マイナス81.7」を記録した。前回調査時の「マイナス52.3」から29.4ポイントの悪化となった。

今後の見通しについても「新型コロナウイルス感染拡大による物流への影響は甚大であり、極めて厳しい」として、景況感は43.5Pの大幅に悪化し、リーマンショック直後並みのマイナス125.2となる見込みだ。

■トラック運送業界の景況感推移(全日本トラック協会)

1-3月は「好転」と回答とした事業者が7.5%(前回8.4%)、「悪化」とした事業者は67.9%(51.8%)だったが、今後の見通しになると好転はわずか2.1%にとどまり、悪化が84.5%と急増。これにより、判断指数はリーマンショック後の落ち込み以来、初めてマイナス100を割り込み、マイナス125.2へと急降下する見通しとなった。

1-3月の実働率はマイナス55.5で、前回のマイナス28.7から26.8P悪化、実車率はマイナス51.4と23P悪化し、輸送効率が悪化している状況を反映した。採用状況はマイナス4.7と2.8P上昇し、雇用状況(労働力の不足感)は50.7と31.1P低下、労働力の不足感が弱くなった。

ただ今後は実働率がマイナス95.7と40.2P悪化、実車率もマイナス84.7と33.3P悪化し、輸送効率は一段と悪い状態に向かう見込み。採用状況はマイナス19.1と14.4P悪化するが、輸送量が減少するとの見込みから、労働力の不足感は36.8と13.9P低下して不足感が弱まるとみられる。

また所定外労働時間はマイナス47.7と17.1P減少し、下請運送会社に委託する割合はマイナス28.2と14.1P減少。経常損益はマイナス58.1と21.9P悪化した。今後の見通しは、所定外労働時間がマイナス75.3と27.6P減少、貨物の再委託はマイナス48.6と20.4P減少する。経常損益はマイナス100と41.9P悪化し、水準を下げる見込み。

次に、一般貨物の1-3月期の状況と今後の見通しをみると、1-3月は輸送数量がマイナス63.1と21.5P悪化、運賃・料金水準はマイナス4.4と18.9P悪化し、売上高はマイナス57.6と21.6P悪化、営業利益はマイナス64と25.1P悪化した。

今後は輸送数量がマイナス105.6と42.5P悪化、運賃・料金水準はマイナス26.3と21.9P悪化する。これを受け、売上高はマイナス102.5と44.9Pの悪化が見込まれ、営業利益もマイナス104.8と40.8P悪化する見込み。

判断指数の算出方法
※判断指数は設問の回答に対し「大幅に増加」などを+2、「やや増加」などを+1、「横ばい」を0、「やや減少」などを-1、「大幅に減少」などを-2の点数に置き換え、平均を100倍することで算出されている。