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鹿島、タブレットを利用した車両運行管理システム開発

2012年9月5日 (水)
「スマートG-safe」の概要(出所:鹿島)

「スマートG-safe」の概要(出所:鹿島)

国内鹿島は5日、タブレット型GPS端末を利用してダンプなどの運搬車両の位置をリアルタイムに把握し、交通状況に応じたルート変更指示や落下物発見などの緊急通報などの双方向連絡が可能な「スマートG-safe」を開発し、宮城県で実施中の石巻ブロック災害廃棄物処理業務に適用した、と発表した。既に石巻ブロックで稼働中の60台のダンプに同システムを搭載、稼働している。今後、100台のダンプに搭載する計画。

 

石巻市では震災による鉄道の運休が今も続いており、通勤車両が増加、市内の幹線道路では激しい渋滞が発生している。また、復旧・復興関連の工事車両も多く、工事の進捗に応じて交通量が大きく変動、道路復旧工事も津波被災エリア全体で計画されており、不定期・不確定な場所で通行止めや通行規制が実施されているため、がれき処理に関わる大量の運搬車両が指定された経路のみを走行し続けると、渋滞をさらに悪化させてしまう懸念があった。

 

そこで、主要交差点での交通状況やがれき運搬車両の位置を現場事務所内の運行管理室でリアルタイムに把握し、交通渋滞や交通規制に応じてフレキシブルに運搬ルートや積み込み場の変更をドライバーに指示する「スマートG-safe」を開発、導入したもの。

 

スマートG-safeは、車両に搭載したタブレット型GPS端末で車両位置をリアルタイムにGPS測位し、その位置情報や積荷情報などを工事事務所の運行管理室に自動送信することで、地図画面で一元管理できる。ドライバーから簡単な操作で「渋滞」「落下物」「交通規制」「浸水」などの位置情報を運行管理室に集約することができ、情報をリアルタイムにすべての車両の端末の地図に表示する。渋滞を回避するため、運搬ルートや積み込み仮置き場の変更を運行管理室からタブレット型GPS端末を通じてドライバーに直接指示できる機能も搭載した。

 

これまで、GPS端末を利用してダンプの位置を運行管理室の地図上に一元管理するシステムはあったが、渋滞、落下物、交通規制、浸水などの道路・交通情報をリアルタイムにドライバーと共有して、ドライバーと運行管理室が緊密に連携できるシステムは初めて。

 

今後はシステムを活用し、ダンプの運行間隔を平準化、待ち時間を少なくすることで、周辺環境への影響を最小限に抑える。また、日報作成機能を追加するなど、作業効率にも寄与できるシステムとしてバージョンアップを図る方針。