ピックアップテーマ
アパレル大日本印刷（DNP）は11日、パレットやコンテナなどの物流資材の管理用途として、耐水性に優れた強粘着タイプと、耐水性・耐衝撃性を高めた多用途タイプの2種類のUHF帯ICタグを開発し、10月1日に販売を開始すると発表した。
耐水強粘着ICタグ
UHF帯のICタグは通信距離が長く、ゲート型読み取り装置で一括読み取りが可能なため、パレットやコンテナ、カゴ車などの物流資材の管理に広く利用されているが、これらの物流資材は定期的に高圧洗浄されるほか、輸送中に衝撃が加わることが多く、ICタグで高い耐久性が求められていた。
この課題に対し、DNPは高圧洗浄にも耐えられる耐水加工と粘着性を施したラベルタイプの耐水強粘着ICタグと、輸送中の衝撃を緩和する構造の多用途ICタグを開発。この2製品は国内UHF帯の新周波数（920MHz）、現行周波数（950MHz）に対応し、7メートルの通信距離まで読み取れるようにした。
耐水強粘着ICタグは、薄膜プラスチック材料でラミネートし、強粘着材を施すことで貼り付けラベルに加工したICタグで、高圧洗浄しても剥がれない。ラベルプリンターで目視情報の印字が可能で、パレットやコンテナなどに貼って使用できる。強粘着材は薄膜のため、ラベルプリンターでの紙づまりや印字汚れなどが発生しにくくなっている。
多用途ICタグ
多用途ICタグは、ICタグをABS樹脂で封止することで、耐水性・耐衝撃性を高めた。取り付け用の穴が各辺に2か所ずつ、合わせて8か所あるため、どのような種類のカゴ車やカートラックにもネジや結束バンドなどで容易に装着できる。また、透明な樹脂を用いているため、内蔵のラベルの印字情報を視認できる。
価格は、耐水強粘着ICタグがロット10万枚の場合、1枚あたり50-70円、多用途ICタグが1枚あたり90-100円となる。今後、同社は機器レンタル会社や物流資材メーカーを中心に物流資材管理用ICタグの導入を促進し、2013年度までに2億円の売上を目指す。
