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商船三井、無人運航船の実証航海に向け始動

2020年6月17日 (水)

ロジスティクス商船三井は15日、同社とグループ2社が参画する「無人運航船実用化プロジェクト」の実証航海に向け、日本財団と技術開発助成契約を締結した、と発表した。

同社は「衝突自動回避アルゴリズムを使用した航海支援システム」などの新たな技術を活用することで、安全運航レベルの向上と乗組員の労働負荷軽減を目指しており、自律運航船の実現はその柱の一つ。

プロジェクトには国内企業の22社が参画し、5つのコンソーシアム(共同実施体)で構成されており、今回はその1つのコンソーシアムの契約となる。実証航海では、同社がこれまで培ってきた運航管理の知見を活かし全体の管轄とリスク評価を実施する。

コンソーシアムのメンバーと主要役割は以下の通り。

会社名主要役割
商船三井全体コーディネーション、リスク評価
三井E&S造船「判断」「操作」機能の開発
(避航操船、港内操船、離着桟操船の自動化)
古野電気「認知」機能の開発
(認知センサー統合、着桟支援センサー)
井本船舶実証船・船員提供、運航計画作成
セキド係船支援技術の開発
(ドローンを用いたヒービングラインの岸壁投下)
商船三井フェリー実証船・船員提供、運航計画作成
MOLマリン自動避航操船・自動港内操船・自動離着桟の
シミュレーション作成

同社は内航船の主要船型の一つでありながら、労働環境が厳しいとされる749トン型コンテナ船と、1万トン超の大型カーフェリーの異なる船型・設備である2船で実証を行うことで、汎用性の高い技術開発と実証を進め、問題解消につなげる狙いで、将来的には外航海運にも導入する計画。「海難事故原因の7割とされるヒューマンエラーを減らし、より安全な運航の実現を図っていく」(商船三井)としている。

▲自律航行への取り組み(出所:商船三井)