商船三井の砕氷LNG船、北極海経由で日本初入港

ロジスティクス商船三井は27日、チャイナCOSCOシッピングとの合弁会社が保有する砕氷LNG船が日本に初入港したと発表した。

日本に入港した初めての砕氷LNG船となったのは、商船三井が船舶管理・運航するロシア・ヤマルLNGプロジェクト向けの「ウラジミール・ルサノフ」で、7月23日に東京湾・扇島のLNGターミナルに入港した。

ウラジミール・ルサノフはロシア・サベッタ港のヤマルLNG出荷基地を6月29日に出航した後、カラ海・ラプテプ海・東シベリア海・チュクチ海の順に北極海航路を東側に向けて航行し、ベーリング海峡を経由して日本までLNGを輸送した。

北極海航路を航行した6月末から7月初旬にかけては、海氷の融解が進む時期だが、東シベリア海を中心に氷海域が残ったため、海氷を避けたり砕氷したりしながら航海を行い、平均15ノットで7日間かけてサベッタ港からベーリング海峡までの北極海航路区間を航行した。

ロシア北極圏から北極海航路を通じた輸送は、スエズ運河経由に比べて航海距離を65％短縮できるのが特徴で、同社は「この航路を活用して天然資源を輸送することで、日本などアジアの天然資源輸入国への新たな資源供給ルートを確立できる」としている。