財務・人事ヤマトホールディングスが7月31日に発表した4-6月期(2021年3月期第1四半期)連結決算は、成長が加速するEC領域でヤフーと協業した新配送サービスを打ち出すなど、拡大する需要を取り込み、営業損益が黒字に転換した。
期中の宅急便取り扱い個数が17.1%増の4.9億個に達したことなどにより、本業の儲けを示す営業損益は61億円の損失だった前年同期から160億円改善、99億円の黒字となった。売上高は2.7%増の3920億円、四半期最終利益は131億円改善の34億円。
ヤフーとの協業では、ヤマト運輸が6月24日にEC事業者向け新配送商品「EAZY」(イージー)の提供を開始。
EC利用者、EC事業者、配送事業者をすべてリアルタイムなデジタル情報でつなぎ、購入・配送・受け取りの利便性と安全性、効率性を「徹底して向上」させた新商品としてリリースした。開始当初はファッション通販サイト「ZOZOTOWN」「ZOZOTOWN PayPayモール店」で提供、翌25日には「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」に出店しているストアからの申し込みを受け付け始めた。
これらの取り組みにより、主力の宅配(デリバリー)事業で荷物の取り扱い数量が増加、部門売上高は7.6%増の3271億円。営業利益は、増収効果に加え、外出自粛に伴い在宅率が上昇する中、集配効率を高めて幹線輸送の効率化も進めたことで163億円改善し、65億円を稼ぎ出した。
通期は売上高1兆6380億円(前期比0.5%増)、営業利益640億円(43.2%増)、最終利益330億円(47.8%増)を見込む。
■決算集計(見出し:年/決算期/四半期、[]:前年同期比、単位:百万円)21/3/1Q | 20/3/通期 | 20/3/3Q | 20/3/中間 | |
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売上高 | 392,015 [2.7%] | 1,630,146 [0.3%] | 1,257,724 [0%] | 800,126 [1.4%] |
営業利益 | 9,953 [ - ] | 44,701 [-23.4%] | 50,077 [-32.6%] | 6,213 [-73.5%] |
最終利益 | 3,453 [ - ] | 22,324 [-13.1%] | 31,406 [-27.3%] | -3,459 [ - ] |
売上高営業利益率 | 2.5% | 2.7% | 4.0% | 0.8% |