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JILSロジ大賞に「完全な無人自動ピッキング」ロボ

2020年9月1日 (火)

認証・表彰日本ロジスティクスシステム協会は1日、Kyoto Robotics(キョウトロボティクス、滋賀県草津市)とPALTAC(パルタック)による知能ピッキングロボット活用事例を2020年度の「ロジスティクス大賞」に決定したと発表した。このほか「ロジスティクス大賞SDGs環境賞」に豊田自動織機、「ロジスティクス大賞業務革新賞」には加藤産業の取り組みを選んだ。

大賞を受賞したキョウトロボティクスとパルタックは「日用品卸センターの省人化・自動化での知能ピッキングロボットの活用」をテーマに、マスタレス・ティーチレスのケースピッキングロボットを開発、導入した事例が「労働集約型からの脱却を可能とし、労働生産性を飛躍的に向上させる取り組み」として高い評価を受けた。

物流センターの中でも日用品を取り扱うセンター業務は特に「労働集約型」の物流現場となっており、増加する物流量に対応するための作業員の確保が課題。最近の動向では、ロボットを導入して省人化・自動化を図る取り組みが有効だが、取り扱う商品の半数、1万SKUが毎年リニューアルされることから、商品マスタデータの登録・管理が難しく、導入の障壁となっていた。

そこで、両社は3年近くかけてロボットの開発改良を繰り返し、SKU比で99.6%の認識率となる商品マスタデータを作成。1時間あたりの処理能力が700ケース以上となる「完全な無人自動ケースピッキングロボット」を開発した。

これにより「入荷から出荷までの一連のケースを取り扱う庫内作業」の自動化を図ったほか、商品マスタデータを利用してトラック配送予約のための体積を計算するなど、積み付け効率も高めた。

豊田自動織機は「貨物自動車の累積積載率データ取得、分析による物流CO₂削減への取り組み」、加藤産業は「全国物流拠点の物量予測・出荷生産性改善レベルのボトムアップ・標準化の取り組み」でそれぞれ受賞した。