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JFEスチール

コイル倉庫の入出庫無人化システム開発し全社展開

2020年11月5日 (木)

サービス・商品JFEスチールは、コイル製品倉庫の入出庫作業を無人化する仕組みとして、自動天井クレーン向けの「スマート運用システム」を開発し、全社展開を開始した。システム導入を機に作業スケジュール、製品配置の最適化を進めたことで、出荷能力が大幅に向上しているという。

製鉄所で製造されたコイル製品は、梱包された後、一時的に出荷岸壁近くの製品倉庫に保管され、出荷日になると製品倉庫からクレーンで搬出し、運搬船やトラックに載せて納品先に送られるが、製品倉庫からのコイル搬出作業は「多くのクレーンが並行して動く、きわめて複雑な操業条件下」(JFEスチール)で行われる。

このため、これまではクレーンのオペレーターが出荷状況を画面などで確認しながら、コイル製品の出し入れ順を判断しなければならず、コイル製品の搬出待ち時間が発生し、出荷効率が十分上がらないケースがあった。

同社が開発したスマート運用システムでは、「スケジューリングプログラム」によって、操業・出荷計画などをベースに作業順を自動的に最適化することで、入出庫作業の効率を高めながら、無人化を実現。

さらにスケジューリングプログラムの一機能である「配置最適化機能」を用いることで、手待ち時にコイル製品を理想的な配置に並べ替え、別のコイル製品が上に載ってしまっている場合に生じる掘り出し作業を減らし、入出庫の待ち時間を大幅に削減できるようにした。3段積みのコイル倉庫や、荷さばき場がなくスペースに余裕がない倉庫でも適用できるという。

同社は10月までに西日本製鉄所(福山地区)のコイル製品倉庫で稼働する自動クレーン6基に同システムの導入を完了。これまで発生していたコイル製品の搬出時待ち時間が不要になるなど、出荷能力が大幅に向上した。今後はシステムの全社展開を進めることで、出荷効率をさらに高めていく方針。