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伊藤忠、サウジ工業系廃棄物処理会社に資本参画

2020年11月12日 (木)

国際伊藤忠商事は12日、サウジアラビアのジュベイル工業都市で工業系廃棄物処理サービスを提供するEDCO社の株式を20%取得したと発表した。同社は仏・環境インフラ大手のスエズ社と、サウジアラビアの投資ファンドと共同でEDCO社株式の65%を取得しており、3社で経営主導権を握る。

EDCO社は、ジュベイル工業都市で工業系廃棄物の収集・中間処理・処分といいった一貫処理サービスを提供する会社で、年間処理能力15万トンを有する同地域の廃棄物処理トップシェア企業。

ジュベイル工業都市は、産油国サウジアラビアの基幹産業である石油化学産業の発展のために設立された行政特区で、世界中から160を超える企業が進出し、欧州やアジア向けに石油化学製品を生産・輸出している。

伊藤忠商事は2000年代から一般廃棄物処理事業の取り組みを開始し、英国で4事業、セルビアで1事業に参画。サウジアラビアでは、1960年代から水分野の活動を始め、その後石油化学関連の廃棄物処理事業の可能性を調査してきた。今回は、環境規制の厳格化と石油化学会社の環境経営志向の高まりによって、今後同国で高いレベルの廃棄物処理が求められることを見越して資本参画を決断した。

同社は今後、EDCO社に欧州基準の廃棄物管理手法を導入し、同地域で最高水準のサービスを提供する会社として発展させるほか、将来的にはサウジアラビアでの事業経験を生かして同国内のほかの地域や、中近東、アジアなどの工業都市に事業を展開していくという。

▲ジュベイル工業都市の所在地図(出所:伊藤忠商事)