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日本郵船、あらゆる行動基準にESGという物差しを

2021年1月5日 (火)

ロジスティクス日本郵船が5日に発表した長澤仁志社長によるグループ社員向けあいさつの要約は次の通り。

(以下、要約)

新型コロナウイルスの影響により、大変難しい働き方を強いられる中ではあったが、皆さん本当に良く頑張ってもらった結果、適時開示(12月24日)した通り、第3四半期までの連結経常利益は1000億円を超える見通しとなった。厳しい事業環境下で、想定以上の成果を出してくれたすべてのグループ社員へ感謝申しあげ、心より敬意を表したい。しかし、業績好調の中、「飛鳥II」の火災、グループが管理するコンテナ船2隻での事故の発生。特に「ONE APUS」(ワン アパス)のコンテナ倒壊・流出事故は、近年にない大規模なもので、ここにあらためて安全意識の徹底をお願いしたい。

ことしは、新型コロナウイルスのワクチンの流通で、徐々にポスト・コロナ社会になると思われる。今後は働き方だけではなく、新しい物流スタイルがどのように定着していくかが大きなポイントだろう。米国バイデン政権の諸政策、英国EU離脱による貿易構造の変化、ニューノーマルに対応した生活様式への移行によって、世の中は急速に変化していくことだろう。先を見通すのは簡単ではないが、何が起こっているのか常にアンテナを高く張り、社会の変化に機敏に対応できるよう努めてほしい。

また、2021年はESG(環境・社会・ガバナンス)というキーワードがクローズアップされる年になるだろう。日本ではグリーン分野での研究開発支援を目的とした2兆円の基金創設が発表され、世界でもすでに同様の動きがある。ESGという社会からの要請に応えられない企業は、数年の内に間違いなく淘汰(とうた)されることになる。しかし、ESGが大切だと叫ぶだけでは何も変わらない。企業カルチャーとして深く浸透させるには、すべてのグループ社員が腹落ちし、あらゆる行動基準にESGという物差しを入れる意識革命が必要だ。グループではことしの2月3日に、「NYKグループ ESGストーリー」を発表する予定で、ことしはその意識革命のスタートの年にしたいと考えている。皆さんもこの問題に真剣に向き合ってほしい。

コロナ禍で世界の物流網が混乱している中、グループの現場で働く皆さんが体を張って世界の物流を守ってくれた。特に船員の皆さんは長期乗船が続く厳しい環境下でも、現場をしっかりと支えてくれた。「物流を止めない」という強い使命感を胸に、われわれは医療物資の緊急輸送でも大きな役割を果たすことができ、企業人として、世の中から必要とされることほどありがたいことはない。皆さんにも同じような気持ちが芽生えたと思うが、社会に貢献する日本郵船グループの一員であることを誇りに持ち、グループ全員でさらに良い方向に進んでいこう。