調査・データオートバックスセブンは28日、子会社のエー・ディー・イー(ADE、大分県別府市)が同県竹田市宮砥地区で、ドローンによる医薬品配送の実証実験を2月4日に行う、と発表した。
オートバックスセブンと大分県は2019年3月19日に地域活性化に関する包括連携協定を結んでいる。同県で初めてドローンによる医薬品配送に向けた実証実験を行い、2022年度には必要な医薬品を即時配送できる仕組みの実用化を目指す。これにより、慢性症例以外の症状への対処時間短縮を図る。
宮砥地区は地域医療の拠点となる診療所がなく、40キロ離れた大久保病院が週に1度訪問診療を行っている。訪問診療では事前に処方した医薬品を準備しているが、現地での診療の内容によって、想定していなかった医薬品が必要になる場合もあり、その際は即日の処方ができず、後日配送になるといった時間的なロスが発生し、より効率的な医薬品の配送が課題となっている。
オートバックスセブンでは「実用化されれば、離れた地域でも医薬品の即時配送が可能となり、慢性症例以外の症状への対処時間を短縮することができる」としている。実験は自治体・企業・団体あわせて7者が協力して行う。
第2フェーズでは、山間地域や島しょ部などでのサービス提供を視野に入れ、エアロジーラボが開発する「120分以上・100キロ以上飛行可能な産業用ハイブリッド型ドローン」を使用し、効果実証を進める。将来的には、災害発生時のような緊急の際に、避難所への医薬品配送などにも活用することで地域での防災力向上につなげる。